ブガッティ・リマック、ポルシェ保有株の取得完了 マテ・リマックCEOの新体制へ

【ポイント】
・2021年から続いたポルシェとの合弁体制から、新たな株主構成への転換
・ブガッティ・オートモビル社長も兼任するマテ・リマックCEOによる経営体制の強化
・新工場「ラ・マニュファクチュール」とトゥールビヨン最終試験が支える次の10年

ブガッティ・リマックは、HOFキャピタルが主導するコンソーシアムによる、ポルシェ保有のリマック・グループおよびブガッティ・リマック株式の取得が完了したと発表しました。2026年4月に発表されていた取引が正式に完了し、ブガッティは新たな株主体制と経営陣のもとで、次の成長段階へ移行します。

ブガッティ・リマックは2021年、リマック・グループとポルシェによって設立された合弁会社です。設立時の出資比率はリマック・グループが55%、ポルシェが45%で、リマック・グループが過半数を保有していました。またポルシェは、リマック・グループ自体についても21%の株式を保有していました。

今回の取引では、HOFキャピタルが主導するコンソーシアムが、ポルシェの保有するリマック・グループおよびブガッティ・リマックの株式を取得しました。コンソーシアムには、最大の投資家であるBlueFive Capitalをはじめ、米国や欧州の機関投資家も参加しています。

新たな株主構成の確立により、2021年のブガッティ・リマック設立時からCEOを務めるマテ・リマック氏の長期的な戦略と経営ビジョンが、さらに明確な形で推進されることになります。同氏は今回、ブガッティ・オートモビル社長も兼任し、ブランドの戦略面と事業運営の双方により深く関わります。

一方、ブガッティ・オートモビル社長およびブガッティ・リマックCOOを務めてきたクリストフ・ピオション氏は退任します。同氏は20年以上にわたってブガッティに携わり、ヴェイロンからトゥールビヨンに至るまで、モルスハイムで生産されるハイパースポーツカーの品質とクラフトマンシップを支えてきました。

新たなCOOには、リマック・テクノロジーでCOOを務めたマルコ・ブルクリャチッチ氏が就任する予定です。さらに今後、現ブガッティ・オートモビル マネージングディレクターのヘンドリック・マリノウスキー氏を、ブランドのチーフ・コマーシャル・オフィサーに任命する計画も示されています。

経営体制の刷新は、ブガッティにとって大きな節目と重なります。2026年7月にはフランス・モルスハイムで新たな生産施設「ラ・マニュファクチュール」が開設され、次世代ハイパースポーツカー「トゥールビヨン」も最終テスト段階に入っています。

新株主体制、新たな経営陣、新生産施設、そしてトゥールビヨン。これらはすべて、マテ・リマック氏が2021年に打ち出したブガッティの10年ビジョンを具体化する重要な要素です。ポルシェとの協力によって築かれた基盤を引き継ぎながら、ブガッティ・リマックは新たな経営フェーズへと踏み出します。

【ひとこと解説】
ブガッティのラ・マニュファクチュール(La Manufacture)
は、2026年7月にモルスハイムで正式稼働した新世代ハイパースポーツカー専用アトリエであり、ブランドの次章を象徴する生産拠点です。ツルビヨン(Tourbillon)を中心とした新時代のモデルを組み上げるために設計され、歴史的なシャトー・サン=ジャンの敷地内に、環境と調和する低く水平な建築として築かれました。内部では外装・内装のプレアセンブリー、品質検査、研磨・塗装など、クラフトマンシップを要する工程を一貫して行い、年間最大200台の生産能力を備えます。 これは少量生産のブガッティにとって大きな投資であり、リマック体制下での長期的成長戦略を示すものです。ラ・マニュファクチュールは、伝統の地モルスハイムにおける技術・美学・職人技の結晶として、ブガッティの新しい“創造の心臓部”となっています。

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