ポルシェ、ブガッティ・リマック持分を売却 2026年末までに新体制へ

・ポルシェ全面撤退という歴史的決断
・リマック主導で進む再編劇
・ブガッティ新章を告げる胎動

ポルシェAGは、保有しているブガッティ・リマックおよびリマック・グループの全持分を、米ニューヨーク拠点の投資会社ホフ・キャピタルが率いるコンソーシアムへ売却することで合意したと発表しました。関連契約は2026年4月24日に締結されており、各国当局による認可など通常の承認手続きを経て、2026年末までに完了する見通しです。なお、取引金額など財務条件は公表されていません。

ブガッティ・リマックは、2021年にポルシェとリマック・グループが共同で設立した合弁会社です。世界的名門ブランドであるブガッティの未来を担う新会社として誕生し、ハイパーカー市場でも大きな注目を集めてきました。出資比率はリマック・グループが55%、ポルシェが45%となっていました。さらにポルシェは、リマック・グループ本体の株式も20.6%保有しており、資本面でも深く関与してきました。

今回の取引により、ポルシェは両社から完全に資本撤退します。これは単なる持分売却ではなく、ブガッティとリマックの将来戦略における大きな転換点といえます。ポルシェはこれまで、ブガッティ・リマック設立を通じてブガッティの将来基盤づくりに貢献するとともに、リマック・テクノロジーをティアワン自動車技術企業へ育てるうえでも重要な役割を果たしてきました。

買い手となるホフ・キャピタル連合には、最大投資家としてブルーファイブ・キャピタルが参加するほか、米国および欧州連合の機関投資家グループも加わります。取引完了後は、リマック・グループがブガッティ・リマックの支配権を取得し、ホフ・キャピタルおよびブルーファイブ・キャピタルと戦略的パートナーシップを結ぶ予定です。今後の事業成長やブランド強化を支える新体制へ移行します。

さらにホフ・キャピタルは、創業者でありブガッティ・リマック最高経営責任者でもあるマテ・リマック氏と並ぶ、リマック・グループの最大株主となる見込みです。創業者のビジョンと外部資本の支援が組み合わさることで、より迅速な意思決定と長期成長戦略の推進が期待されます。

ポルシェのDr ミヒャエル・ライタース最高経営責任者は、今回の売却について「ポルシェの中核事業へ集中する姿勢を示すもの」とコメントしました。一方、マテ・リマック氏は、ポルシェへの感謝を示しながら、「より速いスピードで長期ビジョンを実現できる体制が整った」と語っています。

伝統と革新が交差するブガッティ、そして先進電動技術を持つリマック。その融合は、いま新たな局面へ進みます。今回の再編劇は、世界のハイパーカー市場に大きなインパクトを与える出来事となりそうです。

【ひとこと解説】
ブルーファイブ・キャピタル(BlueFive Capital)
は、アブダビ・グローバル・マーケットに設立された国際投資プラットフォームで、約44億ドルの運用資産を持ち、ロンドン、アブダビ、ドバイ、北京、シンガポールなど世界7拠点以上で事業を展開しています。成長著しい地域や次世代産業への投資を重視し、プライベート・エクイティ、不動産、インフラ、ストラクチャード商品の4部門を中心に事業を行います。創業者はGCC・アジア・欧米の投資家で構成され、クロスボーダー投資を通じて新興市場の成長機会を創出することを目指しています

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