メルセデスAMG、新時代へ。1179psの電動モンスター「GT 4ドアクーペ」誕生

・1179psを解き放つ革新的アキシャルフラックスモーター
・10分で460km分を充電する800V高性能バッテリー
・AMGの情熱を継承する電動時代の新世代4ドアGT
メルセデスAMGは2026年5月20日、新型「メルセデスAMG GT 4ドアクーペ」を発表しました。高性能EV専用アーキテクチャー「AMG.EA」をベースに開発されたこのモデルは、ブランドの歴史においても極めて重要な意味を持つ1台です。最大860kW(1179ps)という圧倒的な出力を実現しながら、長距離走行でも安定して高性能を維持するという、これまでのEVスポーツカーの常識を覆す実力を備えています。
新型GT 4ドアクーペ最大の特徴は、量産EVとして世界初採用となる「アキシャルフラックスモーター」です。3基のモーターを組み合わせた独自の駆動システムは、単に瞬間的な加速性能を追求したものではありません。ピークパワーを繰り返し安定して発揮できることが最大の特徴であり、サーキット走行や高速巡航など高負荷が続く状況でも性能低下を抑えます。メルセデスAMGは、この新技術によってハイパフォーマンスEVの新たなベンチマークを築くとしています。

この技術の実力は、すでにコンセプトモデルで証明されています。2025年に公開された「CONCEPT AMG GT XX」は、イタリア・ナルドの高速周回路で7日と13時間にわたり4万kmを走破。その過程で25もの長距離記録を更新しました。今回の新型GT 4ドアクーペは、その実験的技術を量産車として本格投入した記念碑的存在でもあります。
パフォーマンスを支えるバッテリーシステムも極めて先進的です。F1技術を応用した800Vアーキテクチャーを採用し、直接冷却式円筒セルを搭載。高負荷時でも安定した温度管理を可能とし、連続走行時の性能低下を抑えています。また、最大600kWという超高速充電にも対応しており、わずか10分間でWLTP換算460km以上の航続距離を回復できるという驚異的な性能を実現しました。高性能と実用性を両立させた点も、新型AMGの大きな魅力です。
ラインアップは、「GT 63 4ドアクーペ」と「GT 55 4ドアクーペ」の2モデルで展開されます。価格は従来の同等モデルをベースに設定される予定で、受注開始は近日中とされています。両モデルとも電費は17.8〜21.0kWh/100km、CO₂排出量はゼロを達成しており、環境性能とAMGらしい走りを高次元で融合しています。
足まわりにも最新技術が惜しみなく投入されました。「AMG ACTIVE RIDE CONTROL」サスペンションには、セミアクティブ式ロールスタビライゼーションを採用。高速コーナリング時の安定性を高めながら、長距離移動では快適な乗り心地も確保しています。さらに、アクティブエアロダイナミクス機構「AEROKINETICSシステム」が走行状況に応じてダウンフォースを最適化し、高速域での安定性と俊敏なハンドリング性能を両立しています。

エクステリアは、低く構えたノーズと張り詰めたボディラインによって、4ドアでありながら純粋なスポーツカーの存在感を強調。インテリアもドライバー中心の設計となり、先進技術とラグジュアリー性を融合した空間に仕上げられています。AMGならではの緊張感と高揚感を、視覚的にも体感できるデザインです。
メルセデス・ベンツグループCEOのオラ・ケレニウス氏は、「このモデルは電動時代においてもAMGファンが求める感情的な走りを実現している」とコメント。またAMG CEOのミヒャエル・シーベ氏は、「まったく新しい時代の幕開けとなるモデル」と語っています。
新型メルセデスAMG GT 4ドアクーペは、単なる高性能EVではありません。圧倒的な加速性能だけでなく、持続性能、充電性能、そしてドライバーの感情を揺さぶる体験までを徹底的に追求した、“電動時代のAMG”を象徴する革命的モデルなのです。
【ひとこと解説】
アキシャルフラックスモーターは、磁束が回転軸方向(アキシャル方向)に流れる構造を持つ薄型・高効率のモーターです。一般的なラジアル型が円筒状で磁束を半径方向に流すのに対し、アキシャル型は円盤状のローターとステーターを向かい合わせに配置します。この構造により高トルク密度・高出力密度を実現し、同サイズでもより大きな駆動力を発揮できます。軽量化にも有利で、EVやハイパーカー、航空モビリティなどで採用が進んでいます。一方で、冷却や製造精度の確保が課題となりますが、次世代パワートレーン技術として注目されています。
















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