90年の時を超えて甦った「ラファール」。ルノー伝説の航空機が再び空へ【動画あり】

・1934年の伝説を現代に蘇らせた歴史的飛行
・航空技術と自動車開発を結ぶ“ラファール”の系譜
・300psプラグインハイブリッドSUVへ受け継がれる革新精神

フランスの自動車メーカーであるルノーは、1934年に誕生した伝説的航空機「ルノー コードロン ラファール C.460」を約90年ぶりに再び大空へ送り出しました。

この歴史的な初公開飛行は、2026年5月23日から24日にかけて、パリ近郊ラ・フェルテ=アレーで開催された航空ショー「Le Temps des Hélices(ル・トン・デ・ゼリス)」で実施されました。1930年代に航空史へ名を刻んだ機体が再び飛行したことで、ルノーが長年培ってきた革新性と挑戦の精神が改めて注目を集めています。

今回の飛行に合わせて、ルノーは復元プロジェクトの舞台裏を収めた没入型“メイキング映像”も公開しました。映像では、機体の修復工程やテスト飛行、技術者やパイロットたちの挑戦が描かれ、航空遺産と現代のブランド戦略を結ぶ象徴的なプロジェクトであることが強調されています。

この復元作業は2024年7月にスタートしました。フランス・ディジョンのAéro Restauration Service(ARS)が担当し、パイロット兼レストアラーのブルーノ・デュクルー氏の指揮のもと進められました。機体は完全分解された後、構造を点検・補強。再組み立て後にはエンジン始動試験や地上試験、飛行試験も実施され、2026年5月の再飛行実現へとつながりました。

ルノー コードロン ラファール C.460は1930年代を代表する高速航空機として知られています。1934年には女性パイロットのエレーヌ・ブーシェが世界速度記録を樹立し、革新性と空力性能の象徴となりました。性能への挑戦と新技術への情熱を体現した存在だったのです。

そして“ラファール”という名称は、現代のルノーにも受け継がれています。ルノーは2023年、DセグメントSUVクーペ「ルノー ラファール」を世界初公開しました。発表の舞台にはパリ航空ショーが選ばれ、最新SUVの横には実際のコードロン ラファール機体も展示されました。航空と自動車、過去と未来を結び付ける演出は大きな話題を呼びました。

現行のルノー ラファールは、ブランドのプレミアム戦略を担うフラッグシップモデルです。SUVクーペらしいダイナミックなスタイリングと高品質な内装を備え、ルノーの新世代モデルとして位置付けられています。

なかでも注目されるのが、「Atelier Alpine」仕様です。アルピーヌのエンジニアと共同開発されたこのモデルには、四輪操舵システム「4Control Advanced」と電子制御サスペンション、さらに常時四輪駆動システムを採用。加えて、新開発のハイパーハイブリッドE-Techプラグインハイブリッドシステムは、1基の内燃エンジンと3基の電動モーターによってシステム最高出力300psを発生します。EVモード航続距離は最大105kmに達し、日常域では電動走行中心の使用も可能とされています。

なお、この歴史的航空機は今後も各地の航空イベントで飛行予定となっており、その後は2027年後半に開館予定のルノー博物館「Les Collections」に展示される計画です。約130年に及ぶブランドの歴史を象徴する存在として、多くのファンを魅了し続けることになりそうです。

【ひとこと解説】
Le Temps des Hélices(ル・トン・デ・ゼリス)
は、フランス・エソンヌ県セルニー=ラ・フェルテ=アレ空港で毎年聖霊降臨祭(ペンテコステ)に開催される、欧州屈指の歴史航空ショーです。1970年にアミカル・ジャン=バティスト・サリス(AJBS)が始めた催しが原点で、現在では第一次大戦機から第二次大戦の名戦闘機、1950〜60年代の旅客機、現代軍用機まで、約100機が5時間以上の飛行展示を行う大規模イベントへと発展しています。午前は静態展示で機体を間近に見学でき、パイロットや整備士との交流、旧車パレード、歴史再現など多彩な催しが行われます。午後は編隊飛行、空戦再現、アクロバット、さらには迫力ある火薬演出を交えたストーリー仕立ての飛行ショーが展開され、航空史を“生きた博物館”として体験できるのが特徴です。

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