フェラーリ、MTの歓びを最新技術で蘇らせた限定車「12Cilindri Manuale」を世界初公開

【ポイント】
・フェラーリ独自開発「Manuale By-Wire」の初採用
・V12自然吸気と3ペダルが織りなす究極の一体感
・世界限定1,499台が放つ特別な存在感

フェラーリは2026年7月3日、フロントV12ベルリネッタ「12Cilindri」をベースにした限定モデル「12Cilindri Manuale」を発表しました。世界限定1,499台のみの特別仕様車で、価格は公表されていません。

最大の特徴は、フェラーリが社内開発した新システム「Manuale By-Wire」の初採用です。従来の機械式マニュアルトランスミッションとは異なり、ギアレバーとクラッチペダルを電子制御化しながらも、機械式MTならではの操作感やクリック感、荷重変化を忠実に再現しています。

パワートレインは自然吸気V12エンジンを搭載し、新開発のマニュアル操作システムと組み合わせました。最高9,500rpmまで回る高回転型V12の特性を生かし、1速から6速とリバースでマニュアル操作が可能なほか、必要に応じてオートマチックモードへ切り替えることもできます。

Manuale By-Wireは、フェラーリの8速デュアルクラッチトランスミッション(DCT)の技術をベースに、新設計のギアレバー、クラッチ・バイ・ワイヤペダル、専用コントロールユニット、エンジン・トランスミッション制御ソフトウェアなどを新開発。高精度な電子制御と機械的な操作フィールを融合させた新しいマニュアルシステムです。

ギアレバー内部には高精度センサーと専用キネマティック機構を採用し、シンクロやギアの噛み合い時に発生するクリック感や荷重変化を再現。不適切なギア選択やクラッチ操作不足の場合は物理的に操作を制限する機構も備え、従来のMT車に近い操作感を実現しています。ユニットは総削り出し構造で重量は3.5kg未満に抑えられ、操作音についても専用開発が施されました。

3ペダルレイアウトも全面刷新されています。クラッチペダルはペダル位置センサーでドライバーの操作を検知し、DCTクラッチを油圧制御することでクラッチ接続を実現。機械式MT特有の踏力変化やストローク特性も再現し、適切なクラッチワークでは滑らかな変速、不適切な操作ではショックやエンジンストールが発生するなど、本格的なマニュアル操作の醍醐味を味わえる設計となっています。

インテリアではセンタートンネルやシフトゲート、丸形アルミシフトノブ、ペダルレイアウトを専用設計。シフトゲートは6速パターンをモチーフにデザインされ、現在の走行モード(マニュアル/オートマチック)を表示するバックライトも組み込まれています。また、スチール製ゲートにはアルマイト加工されたアルミ製チューニングフォーク形状の加飾を採用し、往年のフェラーリMTモデルを現代的に表現しています。

限定モデルならではの専用装備も充実しています。フェラーリの「Tailor Made」プログラムによる専用仕様を設定するほか、レーザー加工された専用サイドバッジ、フェラーリ365 GTB4をオマージュしたフロントスプリッターとリアフェンダーのピンストライプ、専用デザインの5本スポーク鍛造ホイール、ロゴ入りアルミ製ドアシルなどを採用しました。

限定台数の1,499台という数字は、1947年に誕生したフェラーリ初のV12エンジンの排気量「1,499cc」に由来しています。1950~70年代のフェラーリ・グランツーリスモが持つアナログなドライビングプレジャーと最新電子制御技術を融合させ、V12フロントエンジン・ベルリネッタを愛するフェラーリオーナーに向けた、ブランドの新たなドライビング体験を提案する特別な一台となっています。

【ひとこと解説】
フェラーリが初採用した「Manuale By-Wire」は、クラッチペダルとゲート式シフターを備えながら、実際には8速DCTを電気信号で制御する“疑似マニュアル”という革新的システムです。クラッチやシフト操作は高精度センサーで読み取られ、DCT内部のクラッチパックやギア選択を電子的に再現します。これにより半クラ・エンスト・ヒール&トウといった本物のMTの挙動を体感できる一方、誤ったシフトによるオーバーレブは電子制御が防止。機械的フィードバックは徹底的に作り込まれ、ゲートを通る“カチッ”という感触まで再現。速さを犠牲にせず、純粋な操作感だけを復活させたフェラーリ独自の新世代MTです。

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