ロールス・ロイス、グッドウッド拡張計画が大きく前進 新道路「ザ・リンク」開通

【ポイント】
・3億ポンドを投じるグッドウッド史上最大の拡張プロジェクト、その新たな節目
・大型貨物車の地域通過を50%削減する新構内道路「ザ・リンク」の開通
・ビスポーク&コーチビルドの高度化を支える、2029年全面稼働予定の新施設

ロールス・ロイス・モーター・カーズが英国グッドウッドで進める総額3億ポンドの大規模拡張プロジェクトが、新たな節目を迎えました。既存施設と新しい拡張エリアを結ぶ構内道路「ザ・リンク」が完成し、チチェスター選挙区選出の国会議員ジェス・ブラウン=フラー氏によって正式に開通しました。

開通を記念した初走行では、ロールス・ロイスのマニュファクチャリング・ディレクター、ガンター・ベーナー氏が最高峰モデル「ファントム」のステアリングを握り、ブラウン=フラー氏を乗せてザ・リンクを走行。その後、新施設の見学も行われました。

ザ・リンクはグッドウッドの敷地内だけを通る道路で、周辺の一般道を走行する車両、特に大型貨物車の削減を目的としています。東側から敷地に入った車両がそのまま西側へ抜けられるようになるため、従来のように同じルートを引き返す必要がなくなります。

これにより、歴史あるモードリン集落と隣接するウェストハンプネット村を通過する大型貨物車の交通量を50%削減する見込みです。さらに、新施設で働く従業員や、2026年8月中に開業予定の新駐車場へのアクセスにも利用され、周辺地域の交通の流れを改善し、渋滞緩和にも貢献します。

新施設は2029年の全面稼働を予定していますが、物流部門など一部エリアはすでに稼働しています。敷地周辺で進められている大規模な緑化工事も完成間近で、計画上求められる10%を上回る「生物多様性ネットゲイン」の実現を目指しています。

今回の拡張プロジェクトは2024年に開始され、グッドウッド本社が2003年に開設されて以来、単独では最大規模の投資となります。拡張によって、年々複雑化する「ビスポーク」や「コーチビルド」プロジェクトに対応するための追加スペースを確保します。

ロールス・ロイス・モーター・カーズは毎年5億ポンド超を英国経済に貢献し、直接雇用とサプライチェーンを合わせて数千人の雇用を支えています。今回の拡張工事についても、建設初年度だけで地域経済に310万ポンドの経済効果をもたらしたとしています。

【ひとこと解説】
生物多様性ネットゲイン(BNG)
は、開発によって失われる自然環境を「元に戻す」だけでなく、開発前よりも生物多様性を定量的に増やすことを義務づける仕組みです。イギリスでは環境法により、生息地の質・量を示す「生物多様性ユニット」を最低10%以上純増させることが開発の条件となっています。評価には、生息地の規模・状態・独自性・立地を統合する「Biodiversity Metric」が用いられ、オンサイトでの生息地改善が原則ですが、困難な場合はオフサイト整備や生物多様性クレジットの活用も認められます。BNGは、従来のノーネットロスを超え、都市開発と自然再興を両立させるネイチャーポジティブ政策の中核と位置づけられています。

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