ポルシェ、経営体制を再編 Car-IT部門をR&Dへ統合

・変革期に挑む経営体制刷新
・デジタル体験進化の加速
・中国市場向け開発強化
ポルシェは2026年5月7日、経営体制の再編を発表しました。現在8部門で構成されているエグゼクティブボードを、今後は7部門体制へと移行します。その一環として、Car-IT部門を廃止し、研究開発部門(R&D)へ統合することを明らかにしました。
今回の再編は、急速に進む自動車業界の変革に対応するための戦略的な見直しの一環です。監査役会会長のヴォルフガング・ポルシェ氏は、「ポルシェは困難な変革期にあり、変化した市場環境に合わせて組織構造を継続的に適応させる必要がある」と説明しています。
Car-IT部門を率いてきたサジャド・カーン氏は、今後はソフトウェアパートナーシップモデルの一員としてポルシェに関わり続けます。同氏は過去2年半にわたり、コネクティビティやインフォテインメント分野を中心に、ポルシェ各モデルのデジタル体験を大幅に進化させてきました。
特に注目されるのが、電動化された「カイエン」に導入された新世代デジタルインターフェースです。新しい「ポルシェ・デジタル・インタラクション」デザイン言語を採用し、高性能ハードウェアと高度なソフトウェアを融合。シームレスかつパーソナライズされたコネクテッド体験を実現しました。
この新しい操作思想とデジタル体験は、今後さらに多くのモデルへ展開される予定です。さらに、中国市場専用仕様の開発も進行しており、上海の研究開発拠点で専用バージョンが開発されています。地域ごとのニーズに応えるソフトウェア戦略を加速させる狙いです。
サジャド・カーン氏は、「絶えず変化する市場環境では、構造やプロセスを継続的に見直し、適応することが不可欠」とコメント。変革のスピードに対応するためには、俊敏で成果重視のソフトウェア開発が重要だと強調しました。
Car-IT部門は2026年6月19日までサジャド・カーン氏が管理を続け、その後7月1日付で研究開発部門へ正式統合されます。統合後は、副会長兼研究開発担当取締役のミヒャエル・シュタイナー博士が、拡大された新体制を率います。
ポルシェは今回の再編により、伝統的なスポーツカーメーカーとしてのエンジニアリング力と、次世代ソフトウェア開発力の融合をさらに強化しようとしています。
【ひとこと解説】
ポルシェ・デジタル・インタラクションは、ポルシェが電動化・デジタル化時代に向けて再構築した新しいユーザー体験(UX)コンセプトで、直感的な操作性と“ポルシェらしいドライビング集中環境”の両立を目指す思想です。最新世代では、曲面ディスプレイやセンターの高解像度タッチスクリーン、助手席ディスプレイを統合しつつ、必要な情報だけを最適なタイミングで提示する“ドライバー・フォーカス”を徹底しています。また、音声アシスタントやオンラインサービス、スマートフォン連携を強化し、車外のデジタル生活と自然につながる体験を提供します。過度な情報量を避けながら、スポーツカーとしての没入感とデジタル利便性を調和させるのが特徴です。
















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