1250馬力の怪物が雲上決戦へ。2027年型シボレー・コルベットZR1X、パイクスピーク市販車最速記録に挑戦

【ポイント】
・標高14115フィートの雲上決戦への挑戦
・1250馬力ハイブリッドシステムが生む圧倒的性能
・市販状態で記録更新を狙う異次元の実力
ゼネラルモーターズは、2027年型「シボレー・コルベットZR1X」が、6月21日に開催されるパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムで市販車最速記録の更新を目指すことを明らかにしました。
「雲へのレース」とも呼ばれるパイクスピークは、1916年から続く伝統あるヒルクライム競技です。全長12.42マイル(約20km)のコースには156のコーナーが存在し、スタート地点は標高9400フィート、ゴール地点は14115フィートに達します。ガードレールのない過酷な山岳コースとして知られています。

今回、インディカー経験を持つプロドライバーのJRヒルデブランド選手がステアリングを握り、コルベットZR1Xで市販車史上最速記録の更新に挑みます。
コルベットZR1X最大の特徴は、ツインターボ仕様のLT7 V8エンジンとフロントアクスルの電動モーターを組み合わせたハイブリッドシステムです。システム総出力は1250馬力に達し、インテリジェントeAWD(電動四輪駆動)システムによって路面状況に応じた最適な駆動力配分を実現しています。
同車はすでに実力を証明しており、クォーターマイル加速では8.675秒を記録。さらに、量産仕様車としてアメリカメーカー最速となるニュルブルクリンク公式ラップタイムも樹立しています。
高地では空気密度の低下によりエンジン性能や冷却性能に影響が及びますが、JRヒルデブランド選手は、標高1万1000フィートでの走行テストにおいて、フロントモーターの効果を強く実感したと語っています。ヘアピンコーナーからの立ち上がりでは前輪駆動ユニットが車両を引っ張り、内燃エンジンとターボのパワーバンドへスムーズに導くことで、高地でも優れた加速性能を発揮するとしています。

また、比較的小型のバッテリーを採用しながらも、高効率な回生システムによってエネルギーを再利用し、必要な場面で瞬時に出力を供給できる点も大きな特徴です。
チームの目標は、ハイブリッド市販車クラスだけでなく、市販車全体の最速記録を更新することです。現在の市販車最速タイムは9分53秒で、これを上回ることが目標として掲げられています。
さらに注目すべきは、挑戦車両がレース専用の特別仕様ではないことです。排気システムは量産状態のままで、タイヤも新車装着品であるミシュラン「カップ2R」を使用。レギュレーションの範囲内で、市販車そのものの姿で挑戦に臨みます。
JRヒルデブランド選手は、「誰も簡単には破れない記録を打ち立てたい」と語っており、1250馬力を誇るコルベットZR1Xが、パイクスピーク史に新たな1ページを刻むか注目されます。
【ひとこと解説】
パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(PPIHC)は、1916年に始まったアメリカで2番目に古い自動車レースで、「レース・トゥ・ザ・クラウズ」の異名を持つ。コロラド州パイクスピークの山頂を目指す全長12.42マイル(約20km)、156のコーナーを持つ舗装路を一気に駆け上がり、標高差は約1,440mに達する。薄い空気はエンジン出力を最大30%奪い、ドライバーの反応や体力も削るため、完走自体が挑戦となる。多様な車両クラスが参加し、2018年にはロマン・デュマがEVのVW I.D. Rで7分57秒148の記録を樹立するなど、技術競争の舞台としても注目されている
















コメント