フォルクスワーゲングループ ブランドグループコア、営業利益38%増 「ID. Polo」投入でEV戦略を本格加速

・収益改善を支えた徹底したコスト効率化
・「ID. Polo」中心に進む大規模EV攻勢
・小型EV初採用となる次世代「MEB+」技術
フォルクスワーゲングループの量販ブランド群「Brand Group Core(BGC)」は、2026年第1四半期(1〜3月)の業績を発表し、営業利益が前年同期比約38%増となる15億4000万ユーロを記録しました。売上高は349億ユーロ、営業利益率は4.4%でした。販売台数は123万台となり、前年同期比0.2%増と微増ながらも堅調な推移を見せています。
今回の増益には、ブランド横断で進められている製品コスト最適化や徹底したコスト管理が大きく貢献しました。一方で、中国および米国市場での販売減少、米国輸入関税負担の増加、さらに米国チャタヌーガ工場での「ID.4」生産終了に伴う費用計上などが収益を圧迫しています。特にID.4関連では約5億ユーロの費用が発生したとされ、これが四半期収益へ大きな影響を与えました。なお、こうした特殊要因を除外した場合、営業利益率は6.3%に達すると説明しています。
ブランド別では、シュコダオート が特に好調でした。販売台数は13.9%増の31万4611台、売上高は79億ユーロ、営業利益は6億6000万ユーロへ拡大し、営業利益率は8.3%を記録しています。効率化プログラム「Next Level Efficiency+」や収益性の高いモデル構成が寄与したとしています。
また、フォルクスワーゲンの商用車も収益性改善を実現しました。顧客向け納車台数は約8万8900台で前年同期比約10%増加。特に「ID.Buzz」の欧州市場での販売拡大や新型「トランスポーター」が成長を牽引しました。BEV市場では21.9%のシェアを維持し、営業利益は1億5400万ユーロ、営業利益率は3.9%へ改善しています。
今後の戦略として注目されるのが、2026年に投入予定の「エレクトリック アーバン カー ファミリー」です。これはコンパクトEV市場向けの4車種で構成され、スペインのマルトレル工場およびパンプローナ工場で生産されます。SEAT /CUPRA 主導で開発され、フォルクスワーゲンブランド向け2車種、CUPRA向け1車種、シュコダ 向け1車種を展開予定です。共同開発によって車両ライフサイクル全体で6億5000万ユーロのシナジー効果を見込む一方、それぞれ異なるデザインやブランドキャラクターを与えることで明確な差別化を図ります。
さらに、フォルクスワーゲンは2026年に「ID. ポロ」「ID. ポロ GTI」「ID. クロス」「ID.3 GTI」を世界初公開する予定です。これらは先行投入された「ID.3 ネオ」に続く新世代EV群となり、ブランド史上最大規模のEVラインアップ形成につながります。中でも「ID. ポロ」は、手頃な価格帯でのEV普及を担う戦略モデルとして位置付けられています。
加えて、これら新型EVには、小型車クラスとして初めて最新世代EVプラットフォーム「MEB+」が採用されます。従来は上級モデル向けだった高度なEV技術をコンパクトカーへ投入することで、品質、価値、技術力を兼ね備えた“本物のフォルクスワーゲンEV”を目指す方針です。
【ひとこと解説】
MEB+は、フォルクスワーゲンが展開する電気自動車専用プラットフォームMEBを改良した最新版で、新しいユニファイドセル電池の採用により最大450km級の航続距離を実現できる点が大きな特徴です。 また、急速充電性能の向上や次世代ソフトウェアの搭載によって、運転支援機能「Travel Assist」や高度なコネクティビティがエントリークラスのEVにも提供されます。さらに、モーターやバッテリー効率の改善により、より手頃な価格帯で高性能EVを提供することを目指しており、ID. PoloやID. CROSS Conceptなどの新型コンパクトEVに採用される予定です。 MEB+は、フォルクスワーゲンの電動化戦略の中核として、今後の量販EVの基盤となる重要な技術といえます。
















コメント