ベントレー、責任あるラグジュアリーを深化。原材料調達と動物福祉への新たな指針を発表

・素材の裏側に宿る倫理と責任の徹底強化
・動物福祉と森林保全を両立する厳格な基準の確立
・グローバル供給網に広がる透明性とトレーサビリティの進化

2026年4月14日、英国の高級自動車メーカーであるベントレーモーターズは、「Responsible Raw Material Sourcing Policy Statement(責任ある原材料調達方針)」を発表しました。本方針は同社の長期戦略「Beyond100+」に基づくもので、責任あるラグジュアリーの実現に向けた取り組みをさらに強化するものです。対象は動物福祉、持続可能な森林管理、そして倫理的なサプライチェーン全体に及びます。

このポリシーでは、英国クルー本社で仕立てられる主要な内装素材であるレザー、ウール、ウッドベニヤの調達に関する明確な基準が示されています。これらの素材は、環境・社会・倫理の各側面において厳格な要件を満たす必要があり、従来以上に高い透明性と説明責任が求められます。

特に注目されるのが動物福祉への取り組みです。同社は車両に使用されるすべてのレザーについて、EUまたは同等の各国法規に準拠することを義務付けています。さらに、認証制度や第三者機関による検証を通じて、その適合性が裏付けられます。禁止される慣行や素材も明確に定義されており、サプライヤーには継続的な報告と監視体制のもとで基準遵守が求められています。

木材に関しても持続可能性が徹底されています。使用されるウッドベニヤは、EUDRおよび英国木材規則に準拠し、適切に管理された森林から調達されることが条件です。さらに第三者による森林認証の活用が優先されており、環境負荷低減に向けた取り組みが強化されています。加えて、リサイクル木材や再構成木材といった代替素材の採用も検討されており、品質や美観を維持しながら素材の循環性向上が図られています。

また、この方針はフォルクスワーゲングループの原材料調達ポリシーとも整合されており、サプライヤーに対してリスクベースのデューデリジェンスを適用しています。トレーサビリティの強化、透明性の確保、継続的改善が重視されており、複雑な多層構造を持つグローバルサプライチェーン全体での責任ある調達体制の構築が進められています。

これらの取り組みを支えるのが、リーダーシップと説明責任、そしてサプライヤーとの密接な協働です。同社は定期的なリスク評価やトレーニング、透明性の高い報告体制を通じて、サプライチェーン全体への方針浸透を図っています。

同社は、真のラグジュアリーとは卓越したクラフトマンシップやパフォーマンスに加え、素材の選択に込められた価値観によって定義されるとしています。今回の方針強化により、国際的な人権および環境フレームワークへの対応をさらに進め、次世代に向けた責任あるブランド像を明確に打ち出しました。

【ひとこと解説】
EUDR(EU Deforestation Regulation、EU森林破壊防止規則)は、EU域内で流通する製品が森林破壊に関与していないことを企業に義務づける規制です。2023年に施行され、2025年末から本格的に適用されます。対象となるのは、牛肉、カカオ、コーヒー、木材、ゴム、大豆、パーム油などで、企業は原材料が採取された地理座標レベルのトレーサビリティを確保し、森林破壊が行われていないことを示すデューデリジェンス報告を提出しなければなりません。違反した場合は高額の制裁金や市場アクセスの制限が科される可能性があります。サプライチェーン全体の透明性を求める、EUの環境政策の中でも特に厳格な規制となっています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次