モーガン、世界9台限定「ミッドサマー・クーペ」を発表。伝統のコーチビルディングが新たな頂点へ

【ポイント】
・世界9台のみの究極の特別製作モデル
・伝統技術と先進構造技術の融合
・オーナーごとに唯一無二となる完全オーダーメイド体制

モーガン・モーター・カンパニーは2026年6月24日、世界限定9台となる特別製作モデル「Midsummer Coupé(ミッドサマー・クーペ)」を発表しました。価格は未公表で、公開されたプロトタイプを基準に、今後9台の顧客向け車両が製作されます。

ミッドサマー・クーペは、2024年に発表されたバルケッタモデル「Midsummer」をベースに、固定ルーフを採用した新たな解釈として誕生しました。単にルーフを追加するのではなく、新しいデザイン言語、新構造、新たなコーチビルディング技術を採用した意欲作です。プロジェクトは1人の顧客からの提案をきっかけに始まり、その後さらに8人のオーナーが参加し、合計9台の限定生産となりました。

開発ではイタリアのデザインハウス「ピニンファリーナ」との協業を継続。固定ルーフならではのプロポーションを追求し、大型ガラスキャノピーを採用することで、流麗かつエレガントなシルエットを実現しています。ルーフラインはリアまで滑らかにつながり、新たなデザインアイデンティティを確立しました。

固定ルーフ化により、全天候性能やツーリング性能も向上しました。完全なウェザーシール構造に加え、統合型クライメートコントロールを備え、快適性と実用性を高めています。外観ではアルミ製ベルトラインにドアハンドルを組み込み、鏡面仕上げのステンレス製ロアボディパネルを採用。さらに、新設計の鍛造19インチアルミホイールは、モーガン史上最も複雑なデザインとなっています。

インテリアは大型ガラスルーフによる開放感が特徴です。オリジナルMidsummerでも象徴的だったチーク材を広範囲に使用し、アルミニウムやレザーと組み合わせることで、伝統と現代性を融合した空間を演出しています。新開発のアルミ製シフトセレクターにはチーク材を組み込み、ウインドウスイッチはルーフ構造内に配置。さらにチーク材を組み込んだサンバイザーや、アルミ製レールに固定されたルームミラーなど、細部までクラフトマンシップが貫かれています。各オーナー車両では木材やレザー、カラーなどを自由に選択でき、それぞれが唯一無二の仕様となります。

構造面では、新開発のビレット削り出しアルミ製Aピラー、接着式構造ガラス、皿リベット構造を組み合わせた新アーキテクチャーを採用しました。フロントウインドウやルーフガラス自体がボディ剛性向上に貢献する設計となっており、高い剛性を確保しています。それでも重量増はハードトップ仕様のSupersport比でわずか2.5%に抑えられています。

ボディ中央部は伝統的なイングリッシュホイールを用いてアルミ板から職人が手作業で成形し、デジタルスキャンやレーザー測定による高精度な品質管理を組み合わせています。また、モーガン伝統のアッシュ材製ボディフレームも引き続き荷重を支える構造部材として採用され、アルミ、ガラス、木材を融合した独自のエンジニアリングを実現しています。

公開されたプロトタイプは、今後オランダ・ハーグの「Louwman Collection」に収蔵される予定です。ミッドサマー・クーペは、モーガンの特別製作プログラムの新たな到達点であり、伝統的なコーチビルディング技術と先進エンジニアリング、そして顧客との共同開発による究極のパーソナルカーとして、新たな歴史を刻みます。

【ひとこと解説】
ピニンファリーナ
は、1930年にバッティスタ“ピニン”ファリナが創業したイタリアを代表するカロッツェリア兼デザイン会社です。創業当初は特注車体の製作で名を上げ、その後フェラーリ、アルファロメオ、ランチア、マセラティなどと協業し、流麗でエレガントな造形を特徴とする数々の名車を生み出しました。特にフェラーリとの長年のパートナーシップは有名で、ブランドの美学を形づくる重要な役割を果たしています。現在はマヒンドラ・グループ傘下となり、自動車だけでなく鉄道、航空、建築、工業製品など幅広い分野のデザインを手がける総合デザイン企業へと発展しています。90年以上にわたり、機能と美の調和を追求するデザイン哲学で世界のモビリティ文化に影響を与え続けています。

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