ヒョンデとキア、世界初の車内殺菌技術「Plasma Care UVC」を公開 乗員同乗中でも除菌・消臭を実現

【ポイント】
・乗員同乗中でも作動する世界初の車内殺菌技術
・Far-UVCとプラズマランプが切り拓く新時代の車内衛生
・PBV・自動運転時代を見据えた次世代キャビン環境
ヒョンデ・モーターとキアは2026年6月24日、乗員が車内にいる状態でもキャビン内を殺菌・消臭できる世界初の車載衛生技術「Plasma Care UVC」を発表しました。量産化に向けては国際安全基準に沿った技術検証を継続しており、価格や発売時期は現時点で公表されていません。
Plasma Care UVCは、従来の紫外線殺菌とは異なり、200〜230ナノメートルの「Far-UVC(遠紫外線C)」を利用することが最大の特徴です。この波長は高い殺菌性能を持ちながら、人の皮膚では表面の角質層に留まるよう設計されているため、細菌やウイルスのDNAには作用しつつ、人体への影響を抑えることを目指しています。また、細菌や微生物の繁殖によって発生する臭いの原因物質も低減し、より快適な車内環境を実現します。
今回の技術では、車載用途として初めて小型のプラズマランプを採用しました。Far-UVCは従来のLEDでは発生が難しいため、専用のプラズマ光源を開発。さらに、病院や学校向けシステムよりも小型・省電力化を図り、限られた車内空間への搭載を可能にしました。加えて、走行時の振動や温度変化に耐える高い耐久性を確保するとともに、不要な波長を抑制する専用光学フィルターを採用し、安全性も高めています。

性能検証では、複数の研究機関と共同で部品単体から実車まで幅広い試験を実施しました。車内を想定した8立方メートルの試験空間では、30分間で空気中のウイルスを96.8%低減することを確認しています。また、肺炎の原因菌に対する試験では30秒で99.9%、60秒で100%の除菌効果を確認しました。さらに、キアのPBV「PV5」を使用した実車試験では、大腸菌を40分間の照射で99.9%除去できることが確認されています。

ヒョンデとキアは、この技術をキアPV5を活用したスクールシャトルや移動販売車などのPBV用途で紹介する映像も公開しました。自動運転車や多目的モビリティの普及を見据え、乗員がいる状態でも車内の衛生環境を維持できる新たなソリューションとして、今後の実用化を目指していきます。
【ひとこと解説】
Far-UVC(遠紫外線C)とは、波長200〜230nmの紫外線を指し、従来のUVC(254nm付近)と同様に細菌やウイルスを不活化できる殺菌光です。最大の特徴は、皮膚や目の表面の“死んだ細胞層”で吸収され、生きた細胞に届きにくいため、他のUVCより人体への安全性が高いとされている点です。この波長帯は、皮膚内部に浸透せず、角質層で止まる一方、微小なウイルスには十分作用するため、人がいる空間でも使用可能な次世代の殺菌光源として研究が進んでいます。実際に、228nm付近のFar-UVC光源は、細菌やウイルスを99.9%以上不活化できることが報告されています。用途としては、医療施設、公共空間、オフィスなどでの空間除菌が期待されています。
















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