オペル、欧州生産の新型CセグメントSUVを計画。リープモーターとの提携拡大で2028年発売へ

・独中技術が融合する次世代EV構想
・開発期間2年未満という異例のスピード開発
・スペイン工場から始まる欧州EV新戦略

オペルは、ステランティスのインベスターデー2026開催直前に、新たなCセグメントSUVの開発計画を発表しました。新型モデルは完全電動SUVとして企画されており、中国EVメーカーであるリープモーター社との提携拡大を前提とした最初の量産プロジェクトになる見込みです。販売開始は2028年を予定しており、オペルの電動化戦略における重要な転換点として位置づけられています。

今回の新型SUVは、オペル本社があるドイツ・リュッセルスハイムでデザインおよび企画開発が行われます。さらに、ドイツと中国に拠点を置く国際開発チームが共同で車両開発を進める体制を採用します。最大の特徴は、リープモーターとの協業によって実現を目指す“2年未満”という極めて短い開発期間です。通常、新型車開発には数年単位の期間が必要とされる中、このスピード感はグローバルEV市場での競争力強化を強く意識したものといえます。

車両には、リープモーターが持つ最新のEVアーキテクチャーと先進バッテリー技術を採用予定です。一方で、オペル独自のブランド価値も徹底して盛り込まれます。具体的には、最新のシグネチャーデザイン、オンボード体験、シャシーエンジニアリング、ライティング技術、さらにはシート技術まで、オペルが長年培ってきたノウハウが投入される予定です。中国由来の最新EV技術とドイツ流エンジニアリングを融合させることで、新たな競争力を持つ欧州向けEVを生み出そうとしています。

生産拠点として検討されているのは、スペイン・サラゴサ工場です。同工場は1982年以来、オペルのBセグメントを代表する「コルサ」を生産してきた歴史ある施設であり、現在も欧州生産ネットワークの中核を担っています。新型SUVはコルサと並行して生産される可能性があり、ステランティスの欧州生産網を最大限活用する計画です。

ラインアップ上では、「グランドランド」「フロンテラ」「モッカ」に続くSUVとして追加される見込みで、オペルSUVレンジをさらに拡充します。特にCセグメントSUV市場は欧州で競争が激しい重要カテゴリーであり、新型モデルはオペルの販売規模拡大とEV普及を支える中核モデルとして期待されています。

オペルCEOのフロリアン・ヒュットル氏は、「最新かつ手頃な価格の電気自動車を短期間で顧客に届けるための重要なステップになる」とコメントしました。また、ステランティスのザビエ・シェロー氏も、「ドイツのエンジニアリングとグローバルな技術革新スピードを融合するプロジェクト」と語り、オペルが今回の協業において先駆的役割を担うことを強調しています。

今回の計画は、単なる新型SUV投入にとどまりません。グローバル規模での技術共有と生産効率化を通じて、欧州EV市場における新たなビジネスモデルを提示する象徴的プロジェクトとなりそうです。

【ひとこと解説】
リープモーター(零跑汽車)
は、中国・杭州を拠点とするEV専業メーカーで、2015年に設立された新興ブランドです。小型EVからSUV、セダンまで幅広い電動モデルを展開し、自社開発比率65%超の高い内製化を強みに、コスト競争力と技術力を両立させています。主力車種にはシティカーのT03、ミドルSUVのC11、セダンのC01などがあり、航続距離や価格帯のバランスに優れた“実用EV”として評価されています。 また、ステランティスとの提携により欧州展開を加速し、2024年以降は欧州9カ国で販売を開始する計画です。近年は販売台数が急伸し、2025年には初の通期黒字を達成するなど、新興EVメーカーの中でも存在感を高めています。

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