- システム出力523kW(711PS)、0-100km/h 2.5秒、最高速322km/h
- 2基の電動エグゾーストターボを備えるT-ハイブリッド、400V/1.9kWh採用
- 価格はクーペ¥36,350,000、カブリオレ¥39,410,000(税込)
ポルシェは、T-ハイブリッド技術を搭載した新型「911ターボS」および「911ターボSカブリオレ」の予約受注を9月8日より全国の正規販売店で開始しました。今回発表されたモデルは、ポルシェ911シリーズのトップに位置する存在であり、卓越したパフォーマンスと高級感、長距離走行時の快適性、そして日常的な使いやすさを兼ね備えた究極のオールラウンダースポーツカーと位置づけられています。

最大の特徴は新開発のT-ハイブリッドパワートレインです。システム出力は711PS、最大トルクは800N・mを発揮し、現行911で最もパワフルな市販モデルとなりました。ピーク出力は6,500~7,000rpmで維持され、非常に広いトルクバンドが確保されています。400Vシステムを採用し、容量1.9kWhの軽量コンパクトな高電圧バッテリーを搭載。駆動は電気モーター内蔵の8速PDKを介してPTM4WDに伝達されます。さらに2基の電動エグゾーストガスターボチャージャー(eターボ)を搭載することで応答性が大幅に向上。これらの技術により、0-100km/h加速は2.5秒、0-200km/h加速は8.4秒を記録し、最高速度は322km/hに達します。先代比で出力は61PS向上し、加速タイムも短縮されました。
その実力はサーキットでも証明されており、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェでは7分3秒92のラップタイムを達成。これは先代モデルより約14秒速いタイムです。重量はハイブリッドシステムの追加にもかかわらず先代比でわずか85kg増にとどまり、パフォーマンスの向上が重量増を大きく上回っています。
空力性能も徹底的に磨かれています。新型には垂直配置のクーリングエアフラップやアクティブフロントディフューザー、可変フロントスポイラーリップ、伸縮・傾斜可能なリアウイングが搭載され、冷却効率と空気抵抗低減を両立。空気抵抗係数は最適時に先代比で10%低減されています。ウェットモードではフロントディフューザーを閉じることでブレーキを水しぶきから守り、制動性能を確保します。
シャシー面では、電気油圧制御式ポルシェダイナミックシャシーコントロール(ehPDCC)を標準装備。走行状況に応じて車体のロールを抑制し、俊敏性と安定性を両立させています。さらにオプションのフロントアクスルリフトは400V統合により先代よりも高速に作動可能となりました。ブレーキはポルシェセラミックコンポジットブレーキ(PCCB)で強化され、フロントに直径420mm、リアに410mmのディスクを採用し、2ドアモデル史上最大サイズを誇ります。タイヤは新開発品で、フロント255/35 ZR20、リア325/30 ZR21(先代比10mmワイド)を装着。ドライ路面でのハンドリング性能を大幅に向上させながらウェット性能も維持しています。
エンジンサウンドも進化しており、標準のチタン製スポーツエグゾーストシステムが軽量化とともに迫力あるサウンドを実現。3.6リッター水平対向エンジンは非対称タイミングを採用し、力強くシャープな音色を生み出します。外観は“ターボナイト”仕上げの専用エレメントが随所に施され、ホイールも専用デザインを採用。ワイドボディや特徴的なリア開口部、チタン製テールパイプが最上級モデルらしい存在感を放ちます。
インテリアでは、ターボナイトアクセントがステアリングやダッシュボード、ドアパネルに取り入れられ、スポーティかつ上質な雰囲気を演出。18wayアダプティブスポーツシートプラスや“turbo S”のレタリング入りヘッドレストも標準装備されます。クーペは標準で2シーター構成ですが、無償でリアシートを追加可能。カブリオレは2+2のシート構成です。さらにHDマトリックスLEDヘッドライトやスポーツクロノパッケージ、専用チューニングのPASMサスペンションも標準化されています。
価格は911ターボSが¥36,350,000、911ターボSカブリオレが¥39,410,000(いずれも税込)です。ポルシェエクスクルーシブマニュファクチャーによる豊富なオプションも用意され、100色以上のボディカラー、カーボンパーツ、専用ホイール、インテリアカスタマイズなど細部まで自分仕様に仕立てられます。また、車両に呼応する「クロノグラフ911ターボS」も注文可能で、まさに“手首に着ける911ターボS”を実現できます。
新型911ターボSは、圧倒的な動力性能、磨き抜かれた空力、先進のハイブリッド技術、快適性や高級感をすべて高次元で融合。日常から長距離ドライブ、さらにはサーキットまでカバーする“最高のオールラウンダー”として登場しました。性能、品質、使いやすさのすべてを欲張りに満たしたこの一台は、ポルシェが誇るスポーツカーの新たな頂点といえるでしょう。
【ひとこと解説】
T-ハイブリッドパワートレインは、ポルシェが新型911に導入した革新的な電動化技術です。400Vシステムと1.9kWhの高電圧バッテリーを採用し、従来の水平対向エンジンに2基の電動エグゾーストターボチャージャー(eターボ)を組み合わせています。電気モーターを内蔵した8速PDKを介して4輪に効率的にパワーを伝達し、応答性と出力を大幅に向上。軽量・コンパクト設計により重量増を抑えつつ、加速性能や燃費効率を両立する次世代のハイブリッドシステムです。
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