富士で刻まれたフェラーリの耐久レース史。1970年初勝利からLMGT3時代まで

  • 1970年、フェラーリは富士200マイルで日本初勝利を達成
  • FIA WEC参戦以降、富士で7度のクラス優勝(2014~2024)を記録
  • 最新の勝利は2024年、296 LMGT3がデビューシーズンで初優勝

静岡県御殿場市に位置する富士スピードウェイは、全長4.563km・16のコーナーを持つ日本を代表する国際サーキットです。1965年の開業以来、耐久レースの舞台として数々の歴史を刻んできました。特にFIA世界耐久選手権(WEC)が2012年に始まって以降は、2021年を除き毎年世界選手権ラウンドが開催され、フェラーリも多くの栄光をここで手にしています。

フェラーリが富士で最初に勝利を収めたのは1970年の「富士200マイル」。ジャンピエロ・モレッティとコラード・マンフレディーニが駆るスクーデリア・ピッキオ・ロッソの512 Sが、日本での初優勝を果たしました。この勝利はフェラーリにとって富士での長い成功物語の序章となります。

FIA WEC時代に入ってからは、GTクラスで計7度の優勝を記録しています。LMGTE Proクラスでは2014年、2015年、2017年、2022年と計4勝。2014年と2015年の勝利はトニ・ヴィランダーとジャンマリア・ブルーニのコンビによるもので、458 Italiaを駆って連覇を達成しました。さらにLMGTE Amクラスでは2017年と2023年に勝利を飾り、直近では2024年、296 LMGT3がデビューシーズンにして初めてのWEC勝利を富士で挙げました。このときはダビデ・リゴン、トーマス・フロール、フランチェスコ・カステラッチのトリオがVista AF Corseチームとして栄冠を獲得しています。

一方、トップカテゴリーのハイパーカークラスでは、フェラーリの499Pが2023年に4位(フオコ、モリーナ、ニールセン組)と5位(ピエール・グイディ、カラド、ジョビナッツィ組)を記録したのが最高成績です。2024年には#50が9位、#83が12位、#51は早期リタイアという結果に終わりましたが、競争力を示すシーンも見られました。

富士スピードウェイはかつて「富士1000マイル」や「富士200マイル」といった国際耐久レースが行われた伝統の地であり、現在もWECを通じて世界の注目を集めています。フェラーリにとって富士は、初勝利の地であり、GTマシンの数々の成功を重ねてきた舞台。そして今後はハイパーカークラスでの栄冠を目指す挑戦の場でもあります。

Auto 1: 512 S N. di gara 1: 2 Equipaggio 1: Moretti / Manfredini Posizione di Classifica 1: 1°

【ひとこと解説】
富士200マイルは、1967年から1990年代初頭まで富士スピードウェイで開催された国際耐久レースで、シーズン終盤の招待イベントとして知られました。スポーツプロトタイプやGTカーが参戦し、多くの海外チームも参加。1970年にはフェラーリ512 S(ジャンピエロ・モレッティ/コラード・マンフレディーニ組)が優勝し、日本におけるフェラーリ初勝利を記録しました。富士1000マイルと並び、日本の耐久レース文化を育んだ歴史的イベントです。

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