ランボルギーニ、新「セレリア」完成!ハイブリッド時代のクラフトマンシップと革新を融合


  • 本社工場に新たな内装製造部門「セレリア」を開設、面積は従来比約1.8倍の2600㎡に拡大
  • 新型ハイブリッドV8搭載「テメラリオ」と「レヴエルト」の生産ラインも刷新
  • 職人技とテクノロジーの融合で生産効率とカスタマイズ精度を飛躍的に向上

イタリア・サンタアガタ・ボロニェーゼに拠点を置くアウトモビリ・ランボルギーニは2025年11月5日、内装部門「セレリア(Selleria)」の新施設を正式に稼働させました。セレリアとはイタリア語で「鞍(くら)職人の工房」を意味し、ランボルギーニのクラフトマンシップの象徴的存在です。今回の拡張により面積は従来の1400㎡から2600㎡へと拡大し、ハイブリッドモデル「レヴエルト(Revuelto)」および新型「テメラリオ(Temerario)」の生産体制を支える重要拠点となります。

CEOのステファン・ヴィンケルマン氏は次のように語ります。
「ランボルギーニは、テクノロジーと人の力という2つの軸を中心に、完全ハイブリッド化という変革を推進しています。この新セレリアは、その象徴的な一歩です。」

新セレリアでは、機械設備の台数を倍増し、作業エルゴノミクス(人間工学)を徹底的に改善。効率と品質を高めながらも、すべての工程で「手作業の精密さ」を重視しています。最大の特徴は、新導入された自動革貼り付けシステム。素材の厚みや形状に応じて糊の量を自動調整し、無駄や排出ガスを削減します。機械化を進めながらも、クラフトマンシップの価値を損なうことなく、持続可能な製造を実現しています。

現在セレリアには、170名の熟練職人が在籍。レザーやマイクロファイバーなどの高級素材を用いて、世界中の顧客の要望に応える内装を一台ずつ手作業で仕立てています。特にカスタマイズプログラム「アド・ペルソナム(Ad Personam)」の人気は高く、ランボルギーニ購入者の94%以上がこの特注プランを選択しています。

一方で、工場全体でも大規模な変革が進行中です。スーパースポーツカーの新生産ラインは全面的に刷新され、「V12ハイブリッドのレヴエルト」と「V8ツインターボ・ハイブリッドのテメラリオ」という異なるパワートレイン構成を同一ラインで組み立てる世界初の生産体制を実現しました。効率性と柔軟性を両立し、1日あたりレヴエルト10台、テメラリオ20台の生産能力を誇ります。レヴエルトはすでに顧客への納車が始まっており、テメラリオは2026年初頭からデリバリーが開始予定です。テメラリオの受注残はすでに約1年分に達し、ブランドの新たな方向性が高く評価されていることを示しています。

ランボルギーニの製造部門最高責任者(CMO)であるラニエリ・ニッコリ氏はこう語ります。
「セレリアと生産ラインの拡張は、我々の“マニファットゥーラ・ランボルギーニ(Manifattura Lamborghini)”の進化を象徴しています。生産能力を倍増させ、新しい機械を導入し、作業プロセスを最適化しました。これはハイブリッド時代の需要増に対応しつつ、我々の伝統である手仕事の品質を守るための挑戦です。」

この新施設は、ランボルギーニの未来を象徴する存在でもあります。工場の生産ラインは革新と効率の象徴であり、セレリアは人の技と情熱が生み出す芸術の象徴。両者の融合こそが、ランボルギーニが目指す「ハイブリッドでも妥協しないスーパースポーツ」の哲学を体現しています。

伝統と革新、職人の手と最先端技術――その調和から生まれる一台一台のランボルギーニが、これからも“Made in Italy”の誇りを世界に示していくことでしょう。

【ひとこと解説】
アド・ペルソナム(Ad Personam)は、ランボルギーニが提供するオーダーメイド仕様プログラムです。顧客の希望に応じて、外装カラー、レザーの種類やステッチ、カーボン素材の仕上げなど、細部にわたってカスタマイズが可能です。サンタアガタ・ボロニェーゼの「セレリア」工房で熟練職人が一台ずつ仕立て、世界に一つだけのランボルギーニを作り上げます。利用率は非常に高く、全購入者の約94%がこのプログラムを選択しています。

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