BMWグループ、2025年通期見通しを下方修正。中国市場の減速と関税要因が影響

中国市場の販売見通しを引き下げ、欧州・米州は堅調維持
2025年の自動車部門EBITマージンは5〜6%の範囲に収まる見通し
フリーキャッシュフロー見通しを25億ユーロ超に下方修正

2025年10月7日、BMW AGは2025年度の業績見通しを修正したと発表しました。年初から9月までの販売は欧州および米州で堅調に推移したものの、中国市場での成長が想定を下回ったことを受け、第4四半期の販売予測を引き下げます。また、中国の金融機関による販売金融・保険商品の手数料削減により、販売店支援のための財務的サポートが必要となる見通しです。

さらに、上半期報告時に想定していた一部の関税引き下げが実現していないことも収益に影響。BMWグループは依然として、2025年8月1日付でEUと米国間の自動車および部品輸入関税が10%から0%に引き下げられるとの前提を維持していますが、現時点では利益圧迫要因が残るとしています。

これらを踏まえ、2025年の自動車部門のEBIT(営業利益)マージンは従来のガイダンス範囲5〜7%のうち、より低い5〜6%程度になる見込みです。自動車部門のRoCE(使用資本利益率)は従来の9〜13%から8〜10%へ引き下げられました。また、税引前利益(EBT)は前年並みの見通しから「やや減少」へと修正されています。

加えて、米国およびドイツ当局からの関税返還金(高3億ユーロ台)については、従来2025年中の受領を見込んでいたものが2026年に繰り越される見通しとなりました。この影響により、2025年の自動車部門フリーキャッシュフロー見通しも従来の50億ユーロ超から25億ユーロ超へと下方修正されます。

一方で、株主還元方針に変更はなく、配当性向は引き続き純利益の30〜40%の範囲を維持。また、自社株買いプログラムも継続される予定です。

BMWグループは2025年11月5日に「2025年第3四半期報告書」を発表し、詳細な業績と見通しを正式に公表するとしています。

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