BMWグループ、パルスドルフ全拠点が環境管理認証「EMAS」に登録!持続可能な電池生産の最前線へ

  • パルスドルフの高電圧バッテリーパイロット工場が初めてEMAS登録
  • 全施設で100%再生可能エネルギーを使用し、廃熱再利用や循環型生産を実践
  • 環境影響報告書はTÜV SÜDの認証を受け、オンラインで公開

BMWグループは2024年版の環境影響報告書を公開し、ドイツ・パルスドルフの全拠点が欧州連合の環境管理制度「EMAS(Eco-Management and Audit Scheme)」に正式登録されました。今回初めて高電圧バッテリーパイロット工場も対象に加わり、同地のすべての事業活動が最も厳格とされる環境基準の認証を受けることになります。

パルスドルフには、BMWグループのセル製造コンピテンスセンター(CMCC)、高電圧バッテリーパイロット工場、試験部品ロジスティクス施設の3拠点があり、すべてがIHKミュンヘン・オーバーバイエルン商工会議所の審査を経てEMAS登録されました。これにより、BMWグループが掲げる「経済性と環境性能の両立」を体現する拠点として、その取り組みが正式に評価された形です。

EMASは国際環境基準ISO 14001を基礎に、透明性・継続的改善・法令遵守を重視する制度で、企業のエネルギー使用効率、排出量削減、廃棄物対策に加え、サプライチェーンや従業員通勤の環境影響まで評価対象としています。

パルスドルフの施設では電力を100%再生可能エネルギーでまかない、工程で発生する熱を回収して給湯や換気に再利用。全拠点でヒートポンプを活用しています。また、バッテリーセルや高電圧バッテリーの試験生産では、有害溶剤を使用せず、希少資源とエネルギー使用量の削減に取り組み、サーキュラーエコノミー(資源循環型生産)の実証も進めています。生産過程で発生した残渣はBMWグループ内の他センターに戻され、機械的に分解・再資源化する仕組みを確立しています。

さらに、パルスドルフは次世代「Gen6」高電圧バッテリー開発の中核拠点でもあります。2023年から約350名のスタッフが試作生産を行い、ハンガリー・デブレツェン工場などでの「ノイエ・クラッセ」試験車両向けにバッテリーを供給。セルの製造から冷却システム、レーザー溶接、泡充填による保護構造、そして最終検査まで、すべての工程で品質と安全を確保する仕組みが導入されています。

これらの取り組みをまとめた「環境影響報告書2024」はTÜV SÜD Umweltgutachter GmbHの第三者審査を経て承認済みで、現在BMW公式サイト(www.bmwgroup-werke.com/produktionskompetenz/de.html)にて閲覧可能です。

パルスドルフは、BMWグループが掲げる「持続可能な電動化生産」の象徴的拠点として、環境負荷の最小化と資源効率の最大化を両立する最前線を走っています。

【ひとこと解説】
「Gen6」高電圧バッテリーは、BMWグループが次世代電動車「ノイエ・クラッセ」向けに開発している最新世代のバッテリーです。従来比でエネルギー密度を約20%向上させ、航続距離を最大30%伸ばすことを目標にしています。パルスドルフのパイロット工場で製造工程が開発され、レーザー溶接や発泡構造による高い安全性・剛性・耐久性を実現。リサイクル性にも配慮し、材料循環を前提とした設計が採用されています。

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