BMWアートカー、50年の軌跡。ベルギー「ザウト・グランプリ」で芸術とモータースポーツが融合

BMWアートカー・ワールドツアーがベルギーに到着、50周年を祝福
カルダーやホックニー、クーンズら巨匠による“走る彫刻”が集結
ラウシェンバーグ生誕100年を記念し、国際的な展示イベントも開催

2025年10月7日、BMWは「アートカー・ワールドツアー」の新たな舞台として、ベルギー・ノッケ=ヘイストで開催される「ザウト・グランプリ(Zoute Grand Prix)」への参加を発表しました。1975年の誕生から半世紀を迎えるBMWアートカー・コレクションが、世界中の名車とともに芸術と自動車文化の融合を披露します。開催期間は2025年10月8日から12日までです。

BMWアートカー・プロジェクトは、フランスのレーシングドライバー兼アートディーラーのエルヴェ・プーランが、友人でアーティストのアレクサンダー・カルダーにBMW 3.0 CSLのペイントを依頼したことから始まりました。完成した車は1975年のル・マン24時間レースに出場し、“走る芸術作品”として世界に衝撃を与えました。その後、フランク・ステラ、ロイ・リキテンスタイン、アンディ・ウォーホル、ロバート・ラウシェンバーグ、デヴィッド・ホックニー、ジェフ・クーンズ、ジュリー・メヘルトゥらが続き、各自の芸術性を注ぎ込んだ独自のアートカーを制作しています。

今回の展示では、メヘルトゥが手掛けた「BMW M ハイブリッドV8」をはじめ、カルダー、ステラ、マタゾー加山、セサール・マンリケ、エスター・マフランゴら世界的アーティストによる名作が一堂に会します。これらの車はニューヨーク、イスタンブール、香港などを巡り、文化とスピードの融合を世界各地で発信してきました。

さらに2025年は、アートカーの参加作家でもあるアメリカの巨匠ロバート・ラウシェンバーグの生誕100周年にあたります。これを記念し、BMWは1年間にわたり国際的な展示やイベントを開催し、彼の革新的な芸術と社会的貢献を称えます。

「ザウト・グランプリ」はヨーロッパ屈指のクラシックカーイベントとして知られ、歴史、デザイン、革新が融合する祭典です。BMWとイベント主催者は、この舞台でアートとヘリテージの対話を促進し、クラシックカーの永遠の魅力と現代アートの創造性を結びつけています。

アートカーの展示は、芸術と工学の境界を超えた「動く芸術」の象徴。BMWが掲げる創造性と革新の精神を、まさに形として体現するイベントとなっています。

【ひとこと解説】
アレクサンダー・カルダー(1898–1976)は、アメリカを代表する彫刻家で、「モビール(可動彫刻)」の創始者として知られます。動きとバランスを取り入れた軽やかな構成が特徴で、鉄やワイヤーを用いた立体作品は近代彫刻に革新をもたらしました。1975年にはBMW初のアートカー「3.0 CSL」を手掛け、色彩と形のリズムで“走る彫刻”を表現。彼の作品は遊び心と動的な美しさで今なお世界中の美術館で高く評価されています。

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