4百万台達成!ボルボが誇るSPAアーキテクチャが築いた革新の10年

- ボルボ初のスケーラブル・プロダクト・アーキテクチャ(SPA)が生産400万台を突破
- 世界初の安全技術やデザイン革新を実現した基盤としてブランド再生を牽引
- 次世代SPA2・SPA3への発展で、ソフトウェア更新による進化も継続
ボルボ・カーズは2025年10月、同社の画期的な第1世代「スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャ(SPA)」による生産台数が累計400万台に到達したことを発表しました。記念すべき400万台目となったのは、スウェーデン工場でラインオフしたXC90です。
このSPAは2014年に第2世代XC90で初採用され、以降ボルボの近代的ブランド再生の礎となりました。多様なモデルやパワートレイン、先進技術を共通のアーキテクチャ上で生産できるようにしたことで、開発と製造コストを大幅に削減。スウェーデンを中心とした自社開発により、ベルギー、中国、スウェーデン、米国の4カ国・3大陸で6モデルを展開してきました。
SPAの導入は、安全性とデザインの両面でボルボの大きな転換点となりました。世界初の「ランオフロード・プロテクション」や「交差点自動ブレーキ機能」をはじめ、高張力ボロン鋼を使用した改良型セーフティケージなど、XC90や後続モデルを“世界で最も安全なクルマ”の一角へと押し上げた装備が数多く誕生しました。これらの技術は現在も進化を続けています。
また、デザイン面では「トールハンマー」と呼ばれる特徴的なLEDデイライトを導入。さらにガソリンエンジンと電動モーターを組み合わせた「ツインエンジン」プラグインハイブリッドシステムを採用し、電動化時代の先駆けとなりました。
現在、XC60、S60、V60、S90、XC90など主要モデルがこのSPAを基盤に生産されており、米国チャールストン工場でも生産拡大が予定されています。今後はSPAの知見を活かした次世代プラットフォーム「SPA2」「SPA3」が登場予定で、既存車両も無償のソフトウェアアップデートにより進化を続けています。
ボルボにとってSPAは単なる技術基盤ではなく、「安全」「革新」「持続可能性」を体現するブランドの心臓部。その進化は、これからの10年のボルボを形づくる原動力となるでしょう。
【ひとこと解説】
高張力ボロン鋼は、ボロン(ホウ素)を微量添加することで強度と靱性を高めた特殊鋼です。一般的な高張力鋼よりも引張強度が高く、衝突時の変形を最小限に抑えながら乗員空間を保護できるのが特徴です。特に自動車のセーフティケージやピラーなど、衝撃吸収が重要な部分に使用されます。また、軽量でありながら優れた耐久性を持つため、車両全体の軽量化と燃費向上にも貢献します。安全性と効率性を両立する先進素材です。
















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