アウディはプレミアムコンパクトSUVのベストセラー「Q3」をフルモデルチェンジし、第3世代を発表しました。世界で200万台以上を販売してきた人気モデルが、デザイン、快適性、デジタル装備のすべてにおいて新たな基準を築いています。
新型Q3はワイドなシングルフレームグリルとシャープに絞り込まれたヘッドライトを採用し、空力性能を高めました。サイドに走る水平ショルダーラインは光と影を際立たせ、SUVらしい力強さを演出します。クーペスタイルの「Q3 Sportback」はSUV比で全高を29mm低く抑え、よりスポーティで流麗なシルエットを実現しました。
照明技術も大きな進化を遂げています。コンパクトモデルとしては初めてデジタルマトリクスLEDヘッドライトを採用し、25,600個のマイクロLEDが高精度に路面を照射。悪天候時でも鮮明な視界を確保できるほか、車線逸脱や死角の警告を光で知らせるといった安全機能とも連携します。リアには36セグメントによる発光パターンを持つデジタルOLEDテールランプを採用し、存在感を際立たせています。
インテリアには11.9インチのデジタルクラスターと12.8インチMMIタッチディスプレイを組み合わせた「デジタルステージ」を搭載しました。新設計のステアリングコントロールユニットにより、シフトレバーをステアリング右のレバーへ移設し、センターコンソールの収納性を向上。前席サイドウィンドウにはコンパクトセグメント初となるアコースティックガラスを採用し、高速走行時でも静粛性を確保します。ラゲッジ容量はSUVで最大1,386ℓ、Sportbackで最大1,289ℓまで拡大でき、牽引能力も最大2,100kgと高い実用性を備えています。
パワートレインは幅広く、エントリーモデルの1.5 TFSIは110kW(150PS)を発揮し、マイルドハイブリッド技術を搭載。2.0 TDI(150PS)は長距離走行に適しています。プラグインハイブリッド「Q3 e-hybrid」は1.5 TFSI(177PS)と電動モーターを組み合わせ、システム総出力200kW(272PS)、最大トルク400Nmを実現。25.7kWhの大容量バッテリーを搭載し、SUVで最大119km、Sportbackで118kmのEV走行が可能です。50kW DC急速充電に対応し、10%から80%までを約30分で充電できます。
走行性能も進化し、新開発の2バルブダンパーが路面状況に応じて瞬時に減衰力を調整し、快適性と俊敏性を両立。アダプティブドライビングアシスタントプラスは時速210kmまでの加減速や車線維持をサポートし、車線変更もアシストします。さらにドライバーモニタリングカメラが眠気や不注意を検知し、反応がない場合は自動的に路肩へ停車して緊急通報を行うなど、安全性も大幅に向上しました。
新型アウディQ3は2025年10月にドイツで発売され、SUV 1.5 TFSI(110kW)が44,600ユーロから、Sportbackは46,450ユーロから、プラグインハイブリッドのQ3 e-hybrid SUVは49,300ユーロ、Sportbackは51,150ユーロからとなっています。効率性とデジタル体験、そして革新的な照明技術を融合した新型Q3は、プレミアムコンパクトSUV市場に再び強烈な存在感を放つモデルとなるでしょう。
【ひとこと解説】
デジタルマトリクスLEDヘッドライトとは、アウディが上級モデルから導入した最新の照明技術で、数万個のマイクロLEDを高密度に配置し、きわめて精密な配光を可能にしたヘッドライトです。従来のライトよりも明暗のコントラストが鮮明で、悪天候や暗所でも路面状況をクリアに照らします。さらに車線案内や死角警告など運転支援機能と連携し、光で情報を伝えることで安全性を高めるのが特徴です。新型Q3ではコンパクトクラスとして初採用されました。
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