・1985年エストリルでのセナ初勝利40周年を記念し、ロータス97Tがオランダに登場
・セナの甥ブルーノ・セナや当時のチーフメカニック、クリス・ディナージも参加
・97TはF1空力の進化を先駆けた革新モデル、780〜850馬力を発揮
ロータスは2025年9月5日から7日にかけて開催される「TABACクラシックGP」(TTサーキット・アッセン)において、アイルトン・セナのF1初勝利40周年を記念する特別なトリビュートを実施します。伝説的な「ロータス97T」が、ブラック&ゴールドの象徴的なカラーリングで再びサーキットを駆け抜ける姿を披露します
1985年のポルトガルGP(エストリル)で、セナは雨の中ほぼ全車を周回遅れにし、自身初勝利を達成。41勝のキャリアの幕開けとなったこの勝利は、本人にとっても「キャリア最高のレース」と語られる名演でした。一般的に評価の高い1993年ドニントンでの勝利についても「トラクションコントロールがあった93年に比べればエストリル’85の方がはるかに上」と自ら否定していたほどです。
今回のイベントでは、当時セナのチーフメカニックを務めたクリス・ディナージが97Tをドライブし、甥のブルーノ・セナや駐オランダ・ブラジル大使も参加。ロータス創業者の息子であるクライヴ・チャップマンは「セナの到来はチームにとって決定的な瞬間だった。彼の才能と情熱はチームを前進させた」とコメントしています。
ロータス97Tは1985年にわずか4台が製造された希少車で、ルノー製EF4 V6ターボ(1,492cc)を搭載し、780〜850馬力を発揮。全長4.21m、全幅2.14m、ホイールベース2.77m、重量539kgという軽量パッケージを持ち、フロントホイール後方に設けられた縦型エアロパーツなど、後のF1におけるバージボードの先駆けとなる革新的技術を採用していました。
セナがロータスに所属した1985〜87年は、ロータス、マクラーレン、ウィリアムズ、フェラーリによる激しい競争が繰り広げられたF1ターボ時代の最盛期。今回のトリビュートは、その黄金期を象徴する瞬間を再現するものであり、セナの遺産が今なおモータースポーツに息づいていることを示す感動的な機会となります。
【ひとこと解説】
ロータスのF1史は革新と栄光の連続です。1958年に参戦を開始し、創業者コーリン・チャップマンの独創的な発想で数々の技術革新をもたらしました。モノコックシャシーやウィングカーといった画期的な構造は、その後のF1の基礎となりました。1960〜70年代にかけてジム・クラークやエマーソン・フィッティパルディ、マリオ・アンドレッティらの活躍で6度のコンストラクターズタイトル、7度のドライバーズタイトルを獲得。1980年代にはアイルトン・セナも在籍し、伝説的な勝利を挙げています。1994年にF1撤退を余儀なくされましたが、その革新性と挑戦の精神は今も「クラシック・チーム・ロータス」に受け継がれ、F1史に燦然と輝く存在です。
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