メルセデス・ベンツ、最大600kWの次世代超急速充電を導入。Alpitronic社と共同で2026年から展開

  • Alpitronic製HYC1000(最大600kW/ポイント)を2026年から独自充電パークに導入
  • AMG GT XXで実証した1MW級充電技術を次世代専用チャージャー開発に反映
  • 2030年までに世界で1万基以上の急速充電ポイントを整備、他ブランド車も利用可能

メルセデス・ベンツは、IAAモビリティ2025において次世代高出力充電インフラの導入を発表しました。2026年から、欧州および北米の自社充電パークにAlpitronic社製の最新HYC1000システムを採用し、1基あたり最大600kWの充電出力を提供します。HYC1000は外部パワーユニットによる分散型構造を採用し、最大1,000kWを複数のポイント間で柔軟に配分可能。これにより効率性とスケーラビリティを高め、各拠点の要件に応じた最適な運用が実現します。

例えば、新型メルセデス・ベンツCLAでは、わずか10分で最大325kmの航続距離を充電可能とされます。さらに、コンセプトAMG GT XXが達成した1MW超の充電実証を踏まえ、1,000アンペア級を扱える専用超高性能チャージャーの開発も進行中です。これにより、将来的にはガソリン給油に匹敵する“充電の即時性”を目指します。

Alpitronicのハードウェア技術と、メルセデス・ベンツのシステム統合・インフラ開発力を融合させることで、両社は次世代充電の市場投入を加速。新型チャージャーは2026年以降のメルセデス充電パークに順次導入されます。

メルセデス独自の充電ネットワークは現在、ドイツ、米国、中国に加え、2025年にはオーストリアや日本へ拡大済み。80以上の充電ハブが稼働しており、今後1年でさらに8カ国に展開予定です。2030年までに全世界で1万基以上の急速充電ポイントを整備し、MB.CHARGE Publicを通じて1700社以上・250万基を超える外部充電網とも連携。自ブランド車はもちろん、他ブランド車にも開放され、MB.OSによる経路案内や予約機能で利便性を高めています。

フランツ・ライナー氏(メルセデス・ベンツ モビリティCEO)は「600kW級の統合と超高性能チャージャーの開発で公共充電に新基準を打ち立てる」と強調。アルピトロニックのCEOフィリップ・セノナー氏も「超高速かつ信頼性の高い充電を実現し、日常でのEV利用をさらに容易にする」と述べています。


【ひとこと解説】
MB.CHARGE Publicは、メルセデス・ベンツが提供する公共充電サービスで、自社の高速充電ネットワークと外部の大規模ネットワークをシームレスに統合しています。MB.OSと連携し、最適なルート計算や充電スポットの自動予約も可能。ドライバーは世界1700社以上が運営する約250万基の充電ポイントにアクセスでき、支払いも一元化されています。自社のプレミアム充電パークでは最大600kW級の超急速充電を展開し、利便性と快適性を兼ね備えたEV体験を提供します。

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