メルセデスベンツ EQSに革新のステアリング革命、ステアバイワイヤが実用化

・力をほとんど必要としない革新的ステアリング体験の誕生
・操縦安定性と俊敏性を両立する次世代制御技術の融合
・室内空間と安全性を再定義する新構造インテリアの進化
メルセデス・ベンツは2026年4月3日、新型EQSにステアバイワイヤ技術を導入すると発表しました。同社はドイツメーカーとして初めて、この技術を量産車に採用します。新型EQSは市場投入から数カ月後に本システムが選択可能となり、すべてのパワートレインに対応、さらに後輪最大10度の後輪操舵システムと組み合わせて提供されます。
ステアバイワイヤは、従来の機械的なステアリング接続を廃し、電子信号によって操舵を行う革新的なシステムです。この技術により、ドライバーはほとんど力を必要とせず、極めて精密かつ直感的な操作が可能になります。日常の運転においては特に恩恵が大きく、低速域での取り回しや駐車時の操作性が向上し、ハンドルの持ち替え動作も不要となります。

さらに、路面からの入力に対する制御も大きく進化しています。従来はステアリングを通じて伝わっていた路面の凹凸による振動が遮断され、ドライバーに伝わる不要な情報が大幅に低減されます。一方で、タイヤと路面の接触状態はモデルベースで計算され、その結果に基づく適切な反力が生成されるため、正確で自然な操舵感覚は維持されています。
走行性能においても、複数の要素が高度に統合されています。従来はトレードオフ関係にあったスポーティなハンドリングと快適性、さらには高速安定性と俊敏性が同時に高いレベルで実現されています。ステアリングギア比は走行状況に応じて柔軟に変化し、低速では取り回しやすさ、高速では安定性を重視した制御が行われます。加えて、後輪操舵との連携により、高速域では後輪が前輪と同方向に操舵し、車両の安定性と安心感をさらに高めています。
安全性に関しても徹底した開発が行われています。このステアバイワイヤシステムは、試験設備やテストコース、公道環境において合計100万km以上のテスト走行を実施しています。また、高精度センサーと高性能制御ユニットに加え、二重化された信号経路を持つ冗長構造を採用しており、万が一のトラブル時でも操舵機能が維持される設計です。さらに極めて稀な完全故障時においても、後輪操舵とESP®による個別ブレーキ制御を組み合わせることで、車両の横方向制御が可能とされています。
インテリアデザインにもこの新技術の恩恵が及んでいます。ステアリングホイールは上部をフラット化したコンパクトな形状となり、ドライバーの前方視界が向上するとともに、乗降性も改善されています。これにより室内空間はより広く感じられ、開放感のある快適なドライビング環境が実現されています。
さらに、この新しいステアリング形状に対応するため、初採用となるエアバッグ構造が開発されました。従来のようにステアリングリングに依存せず、内部の支持構造と折りたたみ構造によって展開形状を制御する仕組みです。ガスの流れや折りたたみパターン、固定ポイントが最適化されており、フラット形状のステアリングでも安定した展開と高い再現性を確保しています。エアバッグは従来同様ステアリングハブに内蔵されており、安全性能においても従来基準を維持しています。

このように新型EQSに搭載されるステアバイワイヤは、操舵の概念そのものを刷新し、操作性、快適性、安全性のすべてにおいて新たな価値を提供する技術です。メルセデス・ベンツの技術的リーダーシップを象徴する装備として、電動ラグジュアリーセダンの未来像を具体的に示す存在となっています。
【ひとこと解説】
メルセデス・ベンツはフラッグシップEVセダン「EQS」に大幅な改良を施し、2026年後半に発表される見込みです。外観はフロントグリルやヘッドライトのデザインが刷新され、よりSクラスに近い重厚感を備える方向で開発が進んでいます。リアバンパーも再設計され、全体的にエレガントさと存在感を高めるとされています。最大の進化点は電気アーキテクチャで、従来の400Vから800Vシステムへ移行することで、200kW超の急速充電に対応し、充電時間の短縮と航続距離の向上が期待されています。また、新世代モーターや改良型バッテリーセルの採用により、効率と実用性が大きく改善される見通しです。現行EQSの弱点だった充電性能を根本から強化する“再定義版EQS”となりそうです。
















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