- 2000年パリモーターショーで発表、2003年に市販化されたV10搭載スーパーカー
- ル・マン用に開発されたLMP2000由来の高回転型5.7L V10は612PS、最高速330km/hを実現
- 世界で1,270台のみ生産、カーボンモノコックやモータースポーツ直系技術を採用
2025年、ポルシェ・カレラGTは誕生から25周年を迎えました。2000年9月のパリモーターショーで市販化に近いコンセプトモデルとして公開され、2003年に量産化。伝説的なラリードライバー、ワルター・ロールがシャンゼリゼからルーヴル美術館まで雨の中を走らせた公開試乗は今なお語り継がれています。
その心臓部は、当初ル・マン参戦を目的に開発された「LMP2000」由来のV10エンジン。5.5L・165kgの軽量高回転ユニットを発展させた5.7L自然吸気V10は、最高出力450kW(612PS)、最大回転数8,000rpm超を誇り、最高速度は330km/hに到達しました。

市販版はカーボンファイバー強化プラスチック製モノコックを採用し、車重はわずか1,380kg。マグネシウムやケブラーを組み合わせ、リアディフューザーや可変リアウイング、横置き6速MTなど、徹底したレーシング直系技術を盛り込みました。「ドライバーを挑戦させながらも日常で扱えること」を目指したシャシー開発では、ロールとエンジニア、クスマウルの協働が大きな役割を果たしました。

2003年秋から2006年5月までにシュトゥットガルトやライプツィヒで1,270台がハンドメイドで生産され、今もなお「究極のポルシェ」として多くのファンを魅了し続けています。デザイナー、トニー・ハッターが語る通り「モータースポーツを純粋な形でロードカーに昇華させた」象徴的存在、それがカレラGTです。
【ひとこと解説】
ポルシェ・カレラGTの製品コンセプトは、「純粋なモータースポーツ技術を日常に解放する」ことにあります。ル・マン用に開発されたV10エンジンを核に、カーボンモノコックやレーシング直系の空力デバイスを採用しながら、公道走行に適した操縦性を実現。612PS・330km/hのパフォーマンスを誇りつつ、軽量構造と精緻なチューニングにより、挑戦的でありながら日常でも扱えるスーパーカーとして設計されました。
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