ポルシェ、新型カイエンEVプロトタイプをグロースグロックナー峠で披露。ワイヤレス充電搭載の次世代SUV

  • グロースグロックナー・ハイアルペンロードでカイエンEVプロトタイプをテスト走行
  • ワイヤレス充電(最大11kW)を搭載し、利便性と快適性を大幅向上
  • 2025年末にワールドプレミア予定、歴史と革新を融合した開発姿勢を強調

ポルシェは2025年9月、オーストリア・アルプスを横断する名道「グロースグロックナー・ハイアルペンロード」で、新型カイエンEVのプロトタイプを披露しました。全長48km、27のヘアピンカーブを擁する標高2,571mの峠道は、初代356 No.1以来、同社にとって歴史的な開発拠点。今回の走行は、創業者フェリー・ポルシェの時代から続く伝統的なテストを現代に継承するものでした。

登場したプロトタイプは、すでにグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで観客を沸かせ、英国シェルズリー・ウォルシュ・ヒルクライムではSUV最速記録を4秒以上短縮した車両です。今回はカイエンモデルライン副社長のミヒャエル・シェッツレがハンドルを握り、急勾配や変化する天候下での性能試験に臨みました。同氏は「ニュルブルクリンク北コースがサーキット性能の基準なら、グロースグロックナーは全モデルに課せられる伝統的試練」とコメントし、ブランドにとっての重要性を強調しました。

新型カイエンEVの技術面でのハイライトは、IAAモビリティ・ミュンヘンで公開されたワイヤレス充電システムです。最大11kWの出力を実現し、家庭用AC充電と同等の性能をケーブル不要で達成。駐車場に設置されたポルシェの充電プレートに乗せるだけで自動的に充電が開始され、日常利用における利便性を飛躍的に高めています。

プロトタイプの登場は、フェルディナント・ポルシェ(創業者の孫)が運営する山岳レストラン「FAT Mankei」のシーズンクローズイベントにも合わせて行われました。来場者は918スパイダーや911などと並んで、カモフラージュを施したカイエンEVを間近で鑑賞。フェルディナントは「サイズを超えて俊敏で軽快。まさに真のポルシェだ」と語り、EV化してもブランドDNAが受け継がれていることを強調しました。

カイエンEVは現在開発の最終段階にあり、2025年末のワールドプレミアが予定されています。伝統的なアルプスでの試験と最新の電動技術が融合したこのモデルは、ポルシェSUVの新たな歴史を切り拓く存在となりそうです。

【ひとこと解説】
ポルシェ初のフル電動SUVとなるカイエンEVは、2025年末にワールドプレミア予定の次世代モデルです。詳細スペックは未公開ながら、ハイパフォーマンスSUVとして600ps級の出力や100kWh超の大容量バッテリーを想定、航続距離は500km以上を目標としています。SUV最速記録を更新する俊敏な走行性能に加え、最大11kWのワイヤレス充電を採用し、日常での利便性も向上。伝統と革新を融合し、電動化時代の新基準となる一台です。

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