- 新800V電気システムにより10分で最大250km分の急速充電が可能
- デュアルNVIDIA Orin搭載で演算性能500TOPS、AI活用による安全性向上
- 自動緊急通報付きESAや暗所対応の自動回避操舵、パークパイロットなど新機能搭載
ボルボ・カーズは2025年9月23日、2026年モデルの電動SUV「EX90」の受注開始を発表しました。今回の改良では、ハードウェアとソフトウェアの両面で大幅な進化が図られています。最大の特徴は新採用の800V電気システムで、従来の400V方式に比べて充電時の発熱を抑え、充電効率を大幅に改善。自社開発のバッテリーマネジメントソフトウェアとの連携により最適化された充電を実現し、わずか10分で最大250kmの航続距離を追加可能となりました。
パフォーマンス面でも800V化によって加速力が向上し、軽量化と効率化も同時に実現。これにより走行性能と航続性能を両立させています。さらに、エレクトロクロミック(調光式)パノラマルーフが新採用され、ワンタッチで透明度を調整でき、まぶしさの軽減やプライバシー確保に寄与します。
安全技術も進化しました。新搭載のエマージェンシー ストップ アシスト(ESA)は、ドライバーが無反応となった場合に車両を車線内で安全に停止させ、停車後は自動緊急通報(e-call)機能が救急センターと接続。オペレーターが乗員と会話し、必要に応じて救急要請が可能です。また、滑りやすい路面や前方事故情報を共有するコネクテッド安全アラートや、暗所での自動回避操舵、並列駐車をサポートするパークパイロットも新たに追加されました。
心臓部にはNVIDIA DRIVE AGX Orinを2基搭載した新コアコンピュータを採用。演算能力は500TOPSに達し、AI・データ・ソフトウェアを駆使したさらなる安全性能と快適性の進化を実現します。既存の2025年モデルEX90オーナーも、ワークショップでの無料アップグレードによりこの新しいコンピューティング性能を享受可能です。
ボルボEX90は、電動化時代における同社の先進技術を象徴するモデルとして、充電効率、走行性能、安全性、快適性のすべてにおいて新たな基準を提示しています。
【ひとこと解説】
TOPS(Tera Operations Per Second)とは、半導体チップやコンピュータの演算性能を表す単位で、「1秒間に何兆回の演算処理が可能か」を示します。1 TOPSは毎秒1兆回の演算を意味し、特にAI処理や自動運転システムで用いられるニューラルネットワーク計算能力を測る指標として使われます。数値が大きいほど大量のデータを高速処理でき、画像認識やセンサー融合、リアルタイム制御といった高度な機能の実現に直結します。
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