- リッジビル工場は既に13億ドル超を投資、年産能力15万台を整備
- 現在はEX90とポールスター3を生産、2026年後半からはXC60も追加
- 2030年前には米市場向け次世代ハイブリッドも投入予定
ボルボ・カーズは2025年9月23日、米国サウスカロライナ州チャールストン近郊リッジビル工場への追加投資計画を発表しました。同工場は2015年に着工し、過去10年間で累計13億ドル(約1,950億円超)が投じられ、年間生産能力は15万台規模を確保しています。今回の投資は、生産能力を最大限活用し、米国市場における販売と収益の成長を支えることが狙いです。
現在リッジビル工場では、完全電動SUV「ボルボEX90」と「ポールスター3」を生産。さらに2026年後半からは、ボルボのベストセラーモデルであるミッドサイズSUV「XC60」がラインアップに加わります。XC60は2025年1~8月に米国で27,000台以上を販売し、前年同期比で約20%増と好調な成績を残しており、現地生産による供給拡大が期待されます。
また、2030年以前には米国市場に特化した次世代ハイブリッドモデルを同工場で生産予定です。これにより、ボルボはグローバル生産ネットワーク(欧州・中国・米国)の中で地域ごとの製品最適化をさらに推進し、顧客ニーズへの対応を強化していきます。
ハーカン・サミュエルソンCEOは「米国市場における70年の歴史と累計500万台の販売実績を背景に、今後も現地顧客に応える製品を届け続ける」とコメント。サウスカロライナ州知事ヘンリー・マクマスターも「リッジビル工場は州を全米の自動車製造のリーダーとして位置づける存在」と評価しました。
アメリカ大陸担当社長ルイス・レゼンデは「チャールストン工場は戦略的成長計画の基盤」と述べ、追加モデルの投入によって投資と人材の潜在力を最大限発揮し、米国市場でのさらなる飛躍を目指すとしています。
【ひとこと解説】
ポールスター3は、スウェーデン発の高級EVブランド「ポールスター」が2022年に発表したフラッグシップSUVです。ボルボEX90と同じSPA2プラットフォームを採用し、デュアルモーターAWD仕様で最高出力約489ps(360kW)、最大トルク840Nmを発揮。パフォーマンス仕様では517ps(380kW)、910Nmに強化され、0-100km/h加速は4.7秒を実現します。111kWhバッテリーを搭載し、WLTP航続距離は最大610km。先進運転支援「Pilot Pack」や、NVIDIA DRIVE Orinを活用した次世代安全機能を備えています。
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