- 総投資額1,500万ドル超、延べ床面積10万平方フィート規模の新工場を建設
- 年間生産台数を約2,000台に拡大、2026年春から稼働開始予定
- 2026年末までに最大80名の新規雇用を創出
米テキサス州を拠点とするヘネシー・パフォーマンス(HPE)およびヘネシー・スペシャルビークルズ(HSV)は、ハイパーカー「ヴェノムF5」をはじめ、世界最速級のストリートカーや高性能トラックを手掛けるメーカーとして知られています。同社は2025年9月10日、シーリーにおいて新たな先進製造施設の建設に着手したことを発表しました。総投資額は1,500万ドル超で、これにより施設の総床面積は10万平方フィート以上に拡大。2026年春から稼働を開始し、生産能力は従来比で倍増し、年間約2,000台体制へと進化します。
新工場では、これまで外注していた複合素材の製造や車両塗装を自社内に取り込み、ハイパーカー事業とトラック/マッスルカーのチューニング事業双方の効率化を図ります。加えて、製造工程における品質とクラフトマンシップを維持しつつ、需要の拡大に応えることを目指しています。創業者兼CEOのジョン・ヘネシー氏は、「私たちの特別仕様車に対する強い需要に応えるための投資だ。Ford、Ram、Chevrolet/GMCのディーラー網の拡大により、お客様はヴェノム800やヴェロシラプター1000といったモデルを保証付きでショールームから直接購入できる」と述べています。
今回の拡張は製造施設のみならず、同社が運営する「チューナースクール」にも及びます。同校は車両改造に関する理論・実技教育を提供する職業訓練機関であり、今回のプロジェクトにより約1万平方フィートの独立校舎を新設。人材育成にも力を入れる構えです。
ヘネシーは現在、ヒューストン西部の州間高速道路I-10沿いに143エーカーの広大なキャンパスを構えています。ここで2024年には560台超のトラック、SUV、マッスルカーを生産し、2025年には900台超、2026年には1,300台以上の納車を見込んでいます。今回の新工場稼働により、さらなる需要増に柔軟に対応できる体制が整います。
ヘネシー氏は「パイクスピークを駆け上がり、ボンネビルでスピード記録を樹立していた頃から今日までの歩みを思うと感慨深い。125名超の従業員と世界1万8,000人以上の顧客を抱える企業へと成長できたのは幸運だ。この追加設備投資によって、米国内はもちろん世界中のお客様に対応できる」とコメントしました。
【ひとこと解説】
ヘネシー・ヴェノムF5は、テキサス発のハイパーカーで“時速500km超”を目標に開発されました。自社製6.6リッターV8ツインターボ「フューリー」エンジンは1,817hpと1,617Nmを発生し、車重は約1,360kgに抑えたカーボンモノコック構造を採用。0-100km/h加速は3秒未満、最高速度は理論値で500km/hオーバーを想定しています。限定生産はわずか24台、価格は約220万ドルの超希少モデルで、ヘネシーの技術力とブランド力を象徴する一台です。
コメント