・GMが人気EV「シボレー・ボルト」を2027年モデルとして復活、価格は2万9,990ドルから
・航続距離255マイル、急速充電26分、V2HやNACSポートなど最新技術を搭載
・限定生産モデルとして2026年初頭に出荷、EV市場の「手の届く革新」を再定義
米ゼネラルモーターズ(GM)は、人気電気自動車「シボレー・ボルト(Chevrolet Bolt)」を2027年モデルとして復活させると発表しました。2017年に初代が登場したボルトは、「手の届く長距離EV」として市場に大きなインパクトを与え、EV普及の象徴的存在となりました。生産終了後もファンから再販を求める声が多く寄せられ、今回ついに「ボルト復活プロジェクト」として実現します。

価格はベースモデル「LT」が2万9,990ドル(配送費1,395ドル込み)から、さらに低価格の「LT」グレードも2万8,995ドルで登場予定。3万ドルを切るEVとしては最長の航続距離255マイル(約410km)を実現し、手頃な価格帯で圧倒的な性能を誇るモデルとなっています。生産は米カンザス州フェアファックス工場で行われ、2026年初頭に顧客への出荷を開始する予定です。
駆動システムには、GMが自社開発した最新「X76」電動ドライブユニットを採用。この第10世代ユニットは、コストと効率の最適化を目的に設計され、永久磁石モーターに使用するレアアース(金属)の量を最小限に抑制。セグメント化された磁石構造により熱の発生を抑え、エネルギーロスを軽減します。また、シリコンカーバイド素材のインバーターを採用することで、電力変換効率を大幅に向上。ブレーキ時の回生エネルギーを最大化する「ブレンデッド回生システム」も備え、走行中のあらゆる動作が効率向上に寄与する設計となっています。
充電性能も大幅に進化。DC急速充電では150kW以上の出力に対応し、10%から80%までの充電をわずか26分で完了。これは旧モデル比で約2.5倍のスピードを誇ります。自宅充電にも対応しており、米国エネルギー省によるとEVドライバーの約8割が自宅充電を利用しているため、日常的な42マイル程度の走行には十分な性能です。さらに、ボルト初のNACS(北米共通充電規格)ポートを採用。テスラなどが採用する規格への完全対応により、充電インフラへのアクセス性を格段に高めています。
加えて、Vehicle-to-Home(V2H)双方向給電機能を標準装備。GMの家庭用エネルギーシステムと組み合わせることで、停電時などに車両から住宅へ電力を供給することも可能です。ボルトが「走るバッテリー」としての新たな価値を提供します。
室内デザインも大きく刷新され、11.3インチのセンターインフォテインメントスクリーンと11インチのデジタルメーターを搭載。Google内蔵システムにより、GoogleマップやGoogleアシスタントを標準で利用可能。走行ルートやバッテリー残量、最適な充電スポットを自動で案内します。また「Hey Google」と話しかけるだけで、エアコンやシートヒーター、ナビ、通話、音声メッセージなどを操作可能です。車内ではHBO Max、Prime Video、Tubi、Chrome、GameSnacksなどのアプリを利用でき、停車中は動画視聴やゲームも楽しめます。

運転支援システムには、GMの先進技術Super Cruiseを搭載。Googleマップと連携し、ハンズフリー走行が可能なルートをリアルタイムで表示。交差点やランプでの最適な車線変更も自動案内します。安全性能では、交差点衝突緩和ブレーキ、後方自動ブレーキ、後方交差衝突警報など20以上の先進機能を標準装備。より安心で快適なドライブを実現します。

インテリアには新しいコラム式シフターを採用し、センターコンソール下に大容量収納を確保。ワイヤレス充電やUSB-Cポートを複数備え、利便性も向上しました。上級グレードではパノラマサンルーフやヒーター付きステアリングも選択可能です。
外観デザインは刷新され、7色のボディカラーと3種の17インチホイールを設定。新たに追加されたRSグレードは、ブラックルーフレールや専用バッジを採用し、よりスポーティな印象に。特別色「アトミックイエロー」と赤いステッチ入り内装の組み合わせも用意されます。
ボルトは2017年の初代発売以来、EVの大衆化を象徴する存在として多くのユーザーに支持されてきました。今回の2027年モデルはその精神を受け継ぎながらも、最新技術と使いやすさを両立し、再び「手の届く革新」としてEV市場の中心に戻ってきます。シボレー副社長スコット・ベル氏が語るように、「これはボルトを愛する人々への贈り物」であり、次世代モビリティ時代の幕開けを告げるモデルです。
【ひとこと解説】
シボレー・ボルトは、米ゼネラルモーターズ(GM)が2016年に発売した量産型長距離電気自動車で、約238マイルの航続距離と3万ドル台という価格でEV普及を加速させたモデルです。手頃な価格と実用性で高い評価を受け、EV市場の大衆化を象徴しました。2023年に一度生産終了しましたが、ファンの強い要望を受け、最新技術を搭載した2027年モデルとして復活しました。
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