ヒョンデ自動車とキア、農業分野にウェアラブルロボット「X-ble Shoulder」を拡大導入。韓国農村振興庁と提携

  • 農業従事者の健康・安全・作業効率向上を目的にMoUを締結
  • フィールドテストで肩の筋活動を約22%低減、効果を実証
  • 製造・建設・航空など他産業へも展開、持続可能な農業と産業革新を推進

ヒョンデ自動車とキアは韓国・議旺(ウィワン)の研究開発センターにて、韓国農村振興庁(RDA)と農業分野におけるウェアラブルロボット導入に関する覚書(MoU)を締結しました。本提携では、両社が開発した肩補助型ウェアラブルロボット「X-ble Shoulder」を農業現場に展開し、農作業における健康被害の軽減、安全性向上、作業効率改善を目指します。

ヒョンデ自動車・キアの研究開発部門代表であるヤン・ヒウォン社長は、「X-ble Shoulderは、長年にわたり多様な産業の労働者を支援する方法を模索してきた努力の結晶です。農業分野での導入により、農家の肩関節負荷を軽減し、持続可能な農業環境の構築に貢献したい」と語りました。また、RDAのイ・スンドン長は「農業における安全性と効率向上は未来の重要課題であり、先端技術を積極的に導入することで、農家の健康を守り、農業分野の革新を促進していく」と述べています。

今年5月と9月には、ヒョンデ自動車とキアのロボティクスLABとRDAが共同で2度の実地試験を実施。筋電計(EMG)センサーを用いて、高負荷の肩作業における三角筋の活動を測定したところ、X-ble Shoulderを装着することで筋活動が約22%低減する効果が確認されました。これにより、農業従事者の身体的負担を軽減する有効性が裏付けられました。

今後は農業現場への実装フレームワークを構築し、デモンストレーションや普及活動を通じて技術の認知度を高め、実用化を推進。RDAは需要の把握や関連機関との連携、教育コンテンツ制作・配布を担い、普及を後押しします。ヒョンデ自動車とキアは農業現場での有用性をさらに検証し、農業専用に最適化したソリューション開発を進める計画です。

「X-ble Shoulder」は2024年11月の発表以来、製造業、建設業、造船業など多分野での応用が進んでおり、2025年7月には大韓航空への初納入を実現。その後も韓国鉄道公社(KORAIL)、現代トランシス、現代ロテムなどへ供給が拡大しており、農業分野での展開は産業横断的な利用拡大の大きな一歩となります。

ヒョンデ自動車とキアは、農業を含む幅広い産業で人とロボットの協働を進め、健康的で持続可能な未来の働き方を支えることを目指しています。

【ひとこと解説】
ヒョンデとキアのRobotics LABは、肩負荷軽減ロボット「X-ble Shoulder」に加え、歩行困難者向け外骨格「X-ble MEX」、工場作業支援用の「VEX」「CEX」などを開発。さらに配達・点検ロボット「DAL-e」や移動型「MobED」などサービス分野にも拡大し、人の安全性と効率を高めるロボティクス実用化を推進しています。

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