100周年を迎えたシュコダとラウリン&クレメントの合併、その歴史と現在のブランド価値

  • 1925年9月12日、ラウリン&クレメントとシュコダが合併し、投資と技術導入で急成長を遂げた
  • 1995年以降、シュコダの最上級グレードに「ラウリン&クレメント」名が復活、特別装備を採用
  • 現在はフォルクスワーゲングループ傘下で世界規模に成長、年間92万台超を販売

1925年9月12日、チェコ・ムラダー・ボレスラフを拠点とする自動車メーカーラウリン&クレメント(L&K)は、ピルゼンの産業グループシュコダと合併しました。当時L&Kは設立30周年、四輪車生産開始から20周年を迎えており、第一次世界大戦後の不況と工場火災で経営が困難な中、強力なパートナーを必要としていました。一方のシュコダは当時3万人以上の従業員を抱える大企業であり、合併により自動車部門の強化を図りました。株式交換比率はラウリン&クレメント:シュコダが2:1で、正式承認は1925年9月12日に内務省より下されています。

合併後、シュコダは大規模な投資を行い、最新技術の導入や組立ラインの整備、新型車の投入により国内外での存在感を急速に高めました。1930年代の世界恐慌や1945年の国有化など、数々の試練を経ながらも、ブランドは生き残り続けました。

1991年にはフォルクスワーゲングループに加わり、現代化と国際展開を加速。1995年からは最上級グレードに「ラウリン&クレメント」の名が復活し、初採用となったŠkoda Felicia Laurin & Klementではレザーシート、パールエフェクト塗装、13インチレトロ調アルミホイールなどを装備しました。この「L&K」仕様は現在も最上位モデルの象徴として続いています。

数字の面でも成長は顕著で、100年前には1,800人の従業員で833台を生産していたのが、1991年には約1.7万人で17万2,074台を生産。2024年には約4万人の従業員を抱え、92万6,000台超を世界で販売しました。さらに2025年には自動車学校の学生による特別プロジェクトとして、シュコダ スパーブ コンビを改造した自転車レース用エスコート車「L&K 130」も登場し、130年の歴史を祝っています。

ラウリン&クレメントの理念である「革新、精密、モビリティへの情熱」は、100年経った今もシュコダブランドのDNAとして息づいています。

【ひとこと解説】
ラウリン&クレメント(Laurin & Klement)は、1895年にチェコ・ムラダー・ボレスラフで創業された自転車・二輪メーカーで、1905年から自動車生産を開始しました。高い技術力で成長しましたが、第一次世界大戦後の不況と1924年の工場火災で経営が悪化。1925年にシュコダと合併し、その名は消えましたが、1995年以降はシュコダ車の最上級グレード「L&K」として復活し、伝統と革新の象徴となっています。

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