・フィアットがパンダ・ファミリーを刷新、「グランデ・パンダ」と「パンダイナ」の2モデル体制へ
・グランデ・パンダはハイブリッド、EV、ガソリン仕様を展開、右ハンドル市場にも初進出
・限定(RED)仕様を導入し、社会貢献とブランドアイコンの両立を強化
イタリアのフィアットは、ブランドの象徴的コンパクトカー「パンダ」シリーズを2026年モデルで全面リニューアルし、ラインアップを新たに統一しました。刷新されたファミリーは「グランデ・パンダ」と「パンダイナ(Pandina)」の2モデルで構成され、それぞれ異なる個性を持ちながらも、共通のデザイン哲学と最新技術を備えています。
新型グランデ・パンダは、フィアットのグローバル戦略車として開発された新世代コンパクトSUVです。全グレードにハイブリッド、100%電気、ガソリン仕様を設定し、欧州では10月初旬から順次受注を開始。右ハンドル市場への展開も初めて実施され、世界的な拡販が見込まれます。

グレード構成は「POP」「ICON」「LA PRIMA」の3種で統一。エントリーモデルのPOPは実用性を重視し、マニュアルエアコン、10インチデジタルクラスター、音声認識機能付きスマートステーションを標準装備。安全面ではフルADASシステムと6つのエアバッグを備えています。
中核グレードのICONは、LEDヘッドライト、リアスポイラー、ブラックミラー、10.25インチのタッチスクリーンなど快適装備を強化。6スピーカーやワイヤレスミラーリングにも対応し、デザイン性と利便性を両立します。
最上位のLA PRIMAは、17インチアルミホイール、ルーフレール、スキッドプレート、プライバシーガラスを採用した上質な仕立て。インテリアにはプレミアムファブリック、ソフトタッチステアリング、専用「Bambox」ダッシュボードを備え、ワイヤレス充電、ナビゲーション、オートエアコン、360度センサー、リアカメラなど最新機能を完備しています。
一方、3.69mの全長を持つ「パンダイナ」は、親しみやすい小型都市カーとしてラインアップを再定義。軽快で扱いやすく、都市部や短距離移動を重視するユーザーに最適です。こちらはハイブリッド専用モデルとして展開され、「POP」「ICON」「CROSS」の3グレードを設定。全車に最新の安全支援機能――交通標識認識、レーンキープ、被害軽減ブレーキ、ドライバー疲労検知、リアパーキングセンサー――を標準装備し、街乗りでも高い安心感を提供します。
CROSSグレードでは、ブラックモールや専用エンブレムを装備し、アクティブで冒険的なキャラクターを演出。ボディサイドには「Pandina」のロゴが誇らしげに刻まれています。

さらに、フィアットは国際NGO(RED)とのコラボレーション4周年を記念し、両モデルのレッド塗装車にはBピラー部に(RED)バッジを装着。この特別仕様は、世界的な健康危機への支援活動を象徴し、社会的使命を持つブランドとしての姿勢を明確に示しています。
今回の2026年モデル刷新により、フィアット・パンダ・ファミリーは「誰にでも、どんな街でも似合うクルマ」という原点に立ち返りつつ、電動化・安全・デザインを高次元で融合。ブランドのDNAである“手頃さと情熱”を次世代のモビリティとして再定義する一歩を踏み出しました。
【ひとこと解説】
フィアット・パンダは1980年に初代が登場した、イタリアを代表するコンパクトカーです。シンプルで実用的な設計と低価格で人気を博し、「大衆のための車」として親しまれました。2003年に2代目が登場し、安全性と快適性を向上。2011年には現行の3代目が登場し、都市型ハッチバックとして進化しました。40年以上にわたり、堅牢さと使いやすさで欧州のベストセラーとして愛され続けています。
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