ヒョンデ自動車グループ、新アライアンス「NUMA」設立。AIと自動運転で包摂的なスマートシティ交通を実現へ

  • 公共・民間・学術機関31団体が参加する「NUMA」を正式発足、AI・自動運転・SDVで都市交通を変革
  • 高齢者・障がい者・交通弱者の移動支援を目的に、ユニバーサルデザイン車両やナノモビリティを公開
  • 3段階ロードマップ(AI化→自動運転MaaS→スマートシティ統合)で持続的な都市型モビリティを推進

ヒョンデ自動車グループは2025年8月31日、ソウルで「Next Urban Mobility Alliance(NUMA)」を正式に発足しました。NUMAは公共・民間・学術界を横断するオープンアライアンスで、AI、自動運転、ソフトウェア定義型車両(SDV)を活用し、都市交通の包摂性と持続可能性を高めることを目的としています。設立式には韓国国土交通省の姜熙業次官やヒョンデ自動車グループのAVP部門トップ宋昌氏らが出席しました。

NUMAの活動は3段階ロードマップに基づきます。第1段階は地域交通システムのAI化、第2段階は自動運転MaaSの導入、第3段階はAIモビリティによるスマートシティ拡張です。発表会ではAI搭載の交通ソリューション、超小型「ナノモビリティ」、高齢者や障がい者に配慮したユニバーサルデザイン車両などが披露されました。

現時点で参加する組織は31団体に及び、政府機関(国土交通省、安全行政部、韓国交通安全公団など)、企業(現代自動車、起亜、KT、CJ物流、Naver Cloud、Tmap Mobilityなど)、学術機関(ソウル大学、延世大学、韓国交通大学、韓国交通研究院など)が含まれます。

NUMAの取り組みは、交通弱者の移動支援や地域格差の解消を目指す点に特徴があります。例えば、AIによるオンデマンド交通「Shucle」や、同サービスと連携する超小型モビリティ「R1」デバイスが紹介されました。また、グローバル展開を視野に入れた「Autonomous Vehicle Foundry」構想では、自動運転EVをモビリティ事業者へ供給する仕組みも進められています。

さらに、グループはSDV量産に向け「Pleos SDV Standard Forum」を開催し、産業全体でのソフトウェア協調体制を強化。NUMAはその中心的存在として、都市モビリティの新たな地平を切り開くことを目指しています。

【ひとこと解説】
Shucle(シュクル)はヒョンデ自動車グループが提供するAI搭載オンデマンド交通サービスです。利用者の乗車リクエストをリアルタイムに収集し、AIが最適なルートを自動生成することで効率的な乗り合わせを実現します。固定ルートのない柔軟な運行により、公共交通が不足する地域や高齢者・障がい者など交通弱者の移動を支援。クラウド基盤で運行を管理し、待ち時間短縮とCO₂削減にも貢献します。将来的には自動運転MaaSとの統合も予定されています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次