- 2009年の初SUV「イエティ」以来、累計400万台生産、SUV比率は全販売の55%超
- 最新「エルロック」は欧州でEV販売1位を獲得、受注10万台超えの大ヒット
- インド開発モデルやベトナム・カザフスタン生産で拡大するグローバル体制
チェコの自動車メーカー、シュコダは2025年9月、SUVの累計生産台数が400万台に到達したと発表しました。2009年に初のSUV「イエティ」を投入して以来、わずか2年前に300万台を突破したばかりであり、SUVカテゴリーの急成長を裏付ける記録です。現在ではシュコダ販売台数全体の55%以上をSUVが占めており、同社の成長をけん引する主力セグメントに位置付けられています。
シュコダのSUVは現在7モデルが展開されています。インド市場向けの全長4m未満SUV「カイラック」をはじめ、同じくインドで開発・生産される「クシャク」、欧州市場で人気のコンパクトSUV「カミック」、実用性の高い「カローク」、最大7人乗りの「コディアック」、そして電動SUV「エルロック」と「エンヤック(クーペ含む)」です。特に「コディアック」は2023年に第2世代へ刷新され、上半期だけで64,800台を販売。続く「カミック」も64,100台を記録し、SUVが販売ランキングの上位を占めています。
近年の注目株は電動SUVです。2024年に登場した「エルロック」は、シュコダ初のモダンソリッドデザイン採用車で、コンパクトながら広い荷室を備えた使い勝手の良さが特長です。最上位のRSグレードは250kWの出力を誇り、0-100km/h加速は5.4秒と、エンヤックRSと並んでブランド最速の加速性能を実現。発売から1年未満ながら、欧州で4月と7月にEV販売1位を獲得し、8月末までに10万台を超える受注を記録しました。
一方で2020年に投入された「エンヤック」シリーズも進化を遂げており、最新モデルでは新デザイン言語「モダンソリッド」や強化されたデジタル機能を採用。2025年上半期だけで72,000台のEV SUVが欧州市場に納車され、シュコダの電動化戦略を支える柱となっています。
シュコダSUVの人気は欧州にとどまりません。インド市場では、現地のニーズに合わせた「カイラック」と「クシャク」が販売を伸ばしています。特に「カイラック」は、インドで人気の高い全長4m未満SUV市場に投入された初のモデルで、発売から短期間で3万5,500台以上を生産。クシャクも累計99,000台を超え、インドだけでなく複数の国へ輸出されています。さらに2025年からは、インドで生産されたクシャクをCKD方式でベトナムの新工場でも組み立てており、生産拠点を拡大。シュコダSUVはチェコ本国のほか、インド、ウクライナ、ベトナム、そして2024年からはカザフスタンでも生産され、まさにグローバル体制で需要に対応しています。
将来に向けても、シュコダはSUV戦略をさらに加速させる方針です。2025年には、手頃な価格帯を狙った新型EVクロスオーバー「エピック」の市販モデルを発表予定。さらに2026年には最大7人乗りのフラッグシップ電動SUVを投入し、コンセプトモデル「Vision 7S」をベースにした新たな上級モデルが加わります。これにより、エントリーからハイエンドまでカバーする電動SUVラインアップが完成する見込みです。
400万台という大きな節目を迎えたシュコダSUV。その背景には、多様なニーズに応えるモデル群、急成長する電動化市場での積極展開、そして欧州からインド・東南アジアまで広がるグローバルな生産ネットワークがあります。今後、さらなる新モデルの投入と電動化の推進により、シュコダSUVは世界市場で存在感を一層高めていくことでしょう。
【ひとこと解説】
シュコダ「エルロック」は2024年登場の新型電動SUVで、同社初のモダンソリッドデザインを採用した量産車です。全長はコンパクトながら広々とした室内空間と同セグメント最大級の荷室を備え、日常から長距離まで幅広く対応します。最上位のRSモデルは最高出力250kWを発揮し、0-100km/h加速5.4秒という俊足性能を誇ります。発売から1年未満で欧州EV販売1位を獲得し、2025年8月末までに10万台以上を受注するなど、大ヒットを記録しています。
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