ブガッティ「ブロイヤール」、欧州初披露。唯一無二のハイパーカーがオランダの名門コンクールに登場

  • ブガッティ初の「プログラム・ソリテール」モデル「ブロイヤール」が欧州デビュー
  • 1600PS W16エンジンと流麗なクーペシルエットで美と性能を融合
  • 名馬ブロイヤールをモチーフにしたクラフトマンシップが細部を彩る

ブガッティは、完全ワンオフによる究極のカスタマイズプログラム「プログラム・ソリテール」第1号車として誕生したハイパーカー「ブロイヤール」を、オランダの名門コンクール・デレガンス「Wheels Mariënwaerdt」で欧州初公開しました。米国カリフォルニアでの世界初披露に続き、欧州でもその存在感を示したブロイヤールは、伝統、技術、芸術性を融合させたブガッティの象徴ともいえるモデルです。

会場となったマリエンワールド邸の美しい庭園では、30台以上のブガッティ車が並ぶ中、深みのあるグリーンをまとったブロイヤールがひときわ注目を浴びました。展示車両は、伝説的なヴィンテージモデルから現行のハイパースポーツまで幅広く揃っていましたが、唯一無二の「ソリテール」作品であるブロイヤールはその中心に位置づけられ、来場者を魅了しました。

ブロイヤールのデザインは、創業者エットーレ・ブガッティがこよなく愛したサラブレッド「ブロイヤール」に着想を得ています。シフトセレクターには精緻な馬の彫刻があしらわれ、ドアパネルや後席にはパリの工房が織り上げた馬の刺繍が施されるなど、クラフトマンシップが細部にまで息づいています。外装は流麗なクーペスタイルで仕立てられ、空力性能と造形美が両立。まさにブガッティの哲学である「美と性能の融合」を体現しています。

技術面でも、ブロイヤールはブガッティの最新のエンジニアリングを象徴する存在です。搭載されるのは最高出力1600PSを誇る8.0リッターW16クワッドターボエンジン。シロンをはじめとする現代ブガッティの血統を受け継ぎつつも、特別なチューニングとボディ設計により、さらに洗練されたパフォーマンスを実現しています。芸術的デザインと比類なきパワーを併せ持つことこそが、このワンオフモデルの真骨頂です。

プログラム・ソリテール」は、従来の「スール・メジュール」よりもさらに踏み込んだパーソナライゼーションを提供する仕組みであり、20世紀初頭に黄金期を築いたコーチビルダーの精神を現代に再現しています。当時の名車「タイプ57」やその派生モデルであるガリビエール、ステルヴィオ、ヴェントゥー、アタランテなどに見られる唯一無二の美を、現代のクラフトマンシップと最新技術によって再構築しているのです。

ブガッティ・オートモビルのマネージングディレクター、ヘンドリック・マリノフスキ氏は「ブロイヤールは、美と速度、伝統と革新を完璧に融合させた傑作であり、その創造に関わったすべての人々にとって誇りだ」と語っています。オーナーの個性とブランドの哲学が融合したこのモデルは、単なる自動車の枠を超えた芸術作品として評価されています。

欧州でのデビューを果たしたブロイヤールは、ブガッティがこれから歩む「唯一無二の創造」という方向性を力強く示す存在です。自動車史において、ブガッティは常に美と技術革新の象徴であり続けてきましたが、その精神が次の世代にも受け継がれていることを、このハイパーカーは鮮烈に証明しています。

【ひとこと解説】
スール・メジュール(sur mesure)はフランス語で「注文仕立て」や「オーダーメイド」を意味します。衣服や靴などを顧客一人ひとりの体型や希望に合わせて製作することを指し、既製品にはないフィット感や個性を追求できるのが特徴です。伝統的なテーラリング技術と職人の手仕事が重視され、細部の仕様や素材選びまで自由度が高いのが魅力とされます。

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