- ゾンダF、ニュル最速記録を持つ限定モデルを展示
- ウアイラ・コーダルンガとユートピアが唯一無二のデザインと技術を披露
- ウアイラ・ロードスターBCがサーキット走行で観客を魅了
イタリア・サンチェザリオ・スル・パナーロに本拠を置くパガーニ・アウトモビリは、9月13日と14日にイモラのエンツォ・エ・ディーノ・フェラーリ国際サーキットで開催される「ヒストリック・ミナルディ・デイ2025」に出展します。第9回を迎えるこのイベントは、F1やプロトタイプ、GTカーなど歴史的・現代的マシンが一堂に会する舞台です。パガーニは静態展示として「ゾンダF」「ウアイラ・コーダルンガ」「ウトピア」の3台を披露し、さらに「ウアイラ・ロードスターBC」をサーキット走行で公開します。

注目の一台は2007年にニュルブルクリンク北コース20.6kmを7分27秒82で走破し、市販車最速記録を樹立した「ゾンダF」です。わずか25台のクーペと25台のロードスターのみが生産され、車重は1,230kg。カーボンファイバーやチタン、インコネルを駆使した軽量構造を誇ります。伝説のF1ドライバー、ファン・マヌエル・ファンジオへのオマージュとして開発され、初代顧客ベニー・カイオラの特注色「ビアンコ・ベニー」が採用された個体も存在します。内装にはナルディ製ステアリングや木目パネルを用い、高級時計を思わせるメーターデザインが特徴です。
「ウアイラ・コーダルンガ」は1960年代のレーシングカーを想起させる流麗なロングテールを備え、わずか5台のみが製造されました。乾燥重量は1,280kg。2011年から採用されてきた可変式フラップを進化させた最新のアクティブエアロを搭載し、チタン製エキゾーストはわずか4.4kg。レトロな革の内装やカーボンの骨格が、機能美と工芸的価値を融合させています。
「ウトピア」はパガーニの第三章を象徴するモデルで、99台限定のクーペです。カーボンチタンやカーボントライアックスを組み合わせたモノコックに、864馬力・1,100Nmを発生する5,980cc V12ツインターボを搭載。AMGと共同開発されたこのエンジンは電動化を伴わず、純粋な内燃機の魅力を追求します。足元には専用開発されたピレリ Pゼロ・トロフェオRSを装着。内装はアナログメーターと7速MTを備え、ドライバーとの一体感を強調しています。
さらにサーキットでは「ウアイラ・ロードスターBC」が走行を披露します。2019年に発表され、40台限定で生産されたロードスターは、1,250kgの軽量ボディに800馬力・1,050Nmを発生する改良型V12を搭載。Xtrac製7速シーケンシャルを組み合わせ、鋭いレスポンスを実現します。6本出しチタンエキゾーストから響くサウンドは唯一無二であり、2019年のスパ・フランコルシャンでは2分23秒081の市販車最速ラップを記録しました。この功績により、イタリア工業デザインの最高峰「コンパッソ・ドーロ賞」を受賞しています。

パガーニの出展は、情熱と技術革新が生んだ名車たちが一堂に会する特別な瞬間を、来場者に提供するものとなります。
【ひとこと解説】
ゾンダFは2005年に登場した限定モデルで、クーペ25台、ロードスター25台のみが生産された希少なハイパーカーです。車重は1,230kgと軽量で、6.0L V12自然吸気エンジンを搭載し約602馬力を発揮しました。2007年にはニュルブルクリンク北コースで7分27秒82を記録し、市販車最速の座を獲得。カーボンファイバーやチタン、インコネルを駆使した高剛性・軽量構造に加え、ナルディ製ステアリングや木目パネルを備えた内装が特徴で、工芸品のような仕上がりを誇ります。
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