・スマートが「#2」を発表、往年のフォーツーを継ぐ電動2人乗り超小型車
・メルセデス・ベンツデザインと独自アーキテクチャ採用、開発は社内R&D主導
・2026年末に中国・欧州などで発売予定、都市型モビリティの象徴が復活
スマートは2025年9月、中国・杭州で新型「スマート #2」を発表しました。往年の「フォーツー」で定義づけた超小型シティカーの再発明となるモデルで、ブランドの原点回帰を象徴します。今回の#2は完全電動2シーターで、Aセグメントに属する都市型モビリティの代表車種として開発されています。

デザインはメルセデス・ベンツのデザインチームが担当し、プラットフォームにはスマート社が独自に開発した新アーキテクチャを採用。これは従来の大型EV開発とは異なり、超小型EVならではの課題を解決するための複雑な技術設計が必要とされました。開発は社内R&D拠点が主導しており、量産は中国の工場で行われる予定です。
スマートのグローバルCEO、トン・シャンベイ氏は「完全新設計の超小型EV開発は大型車以上に難しいが、今こそ当社のアイコンを再発明する最適なタイミングだ」とコメント。グローバルCMOのマンディ・チャン氏も「27年前に初代フォーツーが世界を席巻したように、新しい#2は都市文化の象徴として生まれ変わる」と強調しました。
スマートはすでに「#1」「#3」「#5」を市場投入しており、今後は中国市場向けに#5 EHD(Electric Hybrid Drive)も投入予定。そこに新たに#2が加わることで、都市型シティカーからプレミアムSUVまで幅広いモビリティニーズをカバーするラインアップが完成します。
新型スマート #2の正式発表は2026年末を予定。世界で200万台以上を販売した初代フォーツーの系譜を受け継ぎながら、現代的なデザインとEV技術を融合させた「再生したシティカー」として、欧州や中国を中心に再び都市モビリティの象徴的存在となることが期待されています。
【ひとこと解説】
smart(スマート)は1994年にスウォッチとダイムラーの合弁で誕生し、1998年にダイムラーが完全子会社化しました。その後はメルセデス・ベンツグループ傘下で展開され、シティカーの代名詞的存在となりました。2019年には中国のジーリーとメルセデスが折半出資で「smart Automobile Co., Ltd.」を設立し、ブランドは完全電動化へ移行。ジーリーの開発基盤を活用しつつ、デザインは引き続きメルセデスが担当する体制となりました。2022年には新世代EV「smart #1」を発売し、現在は「#3」「#5」などSUVラインも拡充。さらに2026年には伝統の2人乗りシティカー「#2」も投入予定で、都市型モビリティの象徴として進化を続けています。
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