ついに800km超えへ!DS N°8、実走で無充電750kmを達成。フランス発プレミアムEVの新基準

- DS N°8が実走で750kmを無充電走行、理論航続距離は800km超を実証
- 高密度97.2kWhバッテリーと先進の電費制御で平均消費11.7kWh/100kmを達成
- フランス製ACCバッテリー&モーター採用、プレミアムEVの新たな基準を提示
フランスの高級車ブランド、DS Automobilesは、次世代電動サルーン「DS N°8」が実走で無充電750kmの走行に成功したことを発表しました。テストでは、2台のDS N°8 Étoile FWD Long Rangeモデルが、パリ郊外ヴェリジー(Vélizy)から南西部のビスカロッス(Biscarrosse)まで、充電なしで走破。走行後も約50km分のバッテリー残量を維持し、理論上の航続距離は800kmを超えることが確認されました。
今回の走行テストは、実際の交通環境を想定した条件で実施。主に国道や県道を走行し、気温12〜19℃、平均速度54km/hというWLTP基準より厳しい環境下で、平均消費電力11.7kWh/100kmという高効率を記録しました。これは、WLTP値12.9kWh/100kmを大きく下回る数値であり、エネルギーマネジメントの最適化が極めて高いことを示しています。
DS N°8には、エネルギー密度264Wh/kgを誇る高密度リチウムイオンバッテリー(総容量97.2kWh)が搭載されており、フランス北部オー・ド・フランス地域のBilly-BerclauにあるAutomotive Cells Company(ACC)で製造されています。駆動用モーターはフランス東部のTrémery工場で組み立てられており、バッテリーからモーターまで純フランス製の技術を採用することで、国家的産業技術の結集を体現しています。
この実証走行は、すでに欧州各国の高速道路で実施されたテスト(500km無充電走行実績)を補完するものであり、日常使用から長距離旅行まで、充電ストレスのない「新しい電動モビリティ体験」を示しています。
空力性能(Cd値0.24)と洗練されたデザイン、上質な乗り心地を兼ね備えたDS N°8は、「フレンチ・アート・オブ・トラベル」を具現化する次世代プレミアムEVとして、航続距離・静粛性・快適性のすべてで新たな基準を打ち立てました。CEOのグザヴィエ・プジョー氏は、「もはやバッテリーが走行を制限する時代ではない」と語り、長距離EVの新たな可能性を宣言しています。
【ひとこと解説】
WLTP(Worldwide Harmonized Light Vehicles Test Procedure)基準は、自動車の燃費や航続距離、排出ガス量を国際的に統一した条件で測定する試験方法です。従来のNEDC方式よりも実走行に近い環境を再現し、市街地・郊外・高速道路といった走行パターンを組み合わせ、速度変化や加減速をより現実的に設定しています。これにより、電気自動車の航続距離や燃費性能を、ユーザーが実際に体感する走行条件に近い形で評価できるのが特徴です。













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