Kia EV5正式発表。家族とアクティブライフに寄り添う本格電動SUV

  • E-GMP採用のミドルサイズSUV、最大航続距離530km(WLTP)と30分急速充電に対応
  • 60.3kWh/81.4kWhの2種類のバッテリー、AWDやi-Pedal 3.0を搭載
  • 室内はパノラマワイドディスプレイやフルフラットシートなどで「移動するリビング」を実現

Kiaは、完全電動SUV「EV5」を発表しました。ブランドの電動化戦略を加速させるグローバルモデルとして登場したEV5は、日常的な利便性とアウトドアユースを両立させた家族向けCセグメントSUVです。Hyundai Motor Groupの専用EVプラットフォーム「E-GMP」を採用し、実用性、デザイン、先進電動性能を融合させることで、より幅広い層にEV体験を提供することを目指しています。

エクステリアは、Kiaのデザイン哲学「Opposites United」に基づき、力強さと洗練を兼ね備えた本格SUVスタイルに仕上げられました。全長4,610mm、ホイールベース2,750mmの堂々たるサイズにより、車格以上の存在感と広大な室内空間を実現。フロントには立体的な「Star Map」デイタイムランニングライトを備え、ブランドを象徴する“デジタルタイガーフェイス”を新解釈。ボクシーなシルエットとスクエアフェンダー、力強いショルダーラインがSUVらしさを強調し、後席視界を確保するために工夫されたDピラーや19インチ専用ホイールなどが、近未来的かつ堂々とした印象を与えています。リアは垂直に伸びるテールランプとワイドなテールゲートにより安定感を強調し、日常使いからアウトドアまで安心感のある佇まいを見せます。

インテリアは「移動するリビングルーム」をテーマに設計され、ナチュラルな要素とクラフト感を融合した落ち着いた空間を提供します。ダッシュボードには12.3インチのメーター、12.3インチのインフォテインメント、5インチの空調パネルを統合したパノラマワイドディスプレイを搭載し、視認性と先進感を両立。アンビエントライティングも備え、走行中や停車中に応じて雰囲気を演出します。センターコンソールはスライド式トレーを採用し、2列目からもアクセス可能な収納やテーブルとして活用できる柔軟性を持ちます。さらに、2列目には折り畳み式テーブル、スライド式アームレスト、カップホルダーなどが装備され、家族での移動や長距離ドライブをサポートします。

シートアレンジも特徴的で、後席はフルフラット化が可能。荷室と連続する広大なスペースを確保でき、車中泊やキャンプなどアウトドアユースに最適です。リラクゼーションシートにはリクライニングやマッサージ機能を搭載し、3ゾーンクライメートコントロールと組み合わせて快適な移動空間を提供します。

パワートレインは60.3kWhと81.4kWhの2種類のNCMバッテリーを設定。最大航続距離はWLTP基準で530kmに達し、日常走行から長距離移動までカバー可能です。DC急速充電にも対応し、10~80%を約30分で完了します。駆動方式は前輪駆動と四輪駆動を展開。新採用の「i-Pedal 3.0」により回生ブレーキを細かく調整でき、直感的なワンペダル走行が楽しめます。また、V2L(Vehicle-to-Load)機能に加え、今後はV2G(Vehicle-to-Grid)にも対応予定で、家庭やアウトドア、緊急時の電源として活用可能です。トレーラーモードも備え、牽引能力は韓国・欧州仕様で最大1,200kg、北米仕様で1,800ポンドに対応。積載性と実用性を兼ね備えています。

コネクティビティ面では、最新世代の「ccNC(Connected Car Navigation Cockpit)」を搭載。パノラマディスプレイにカスタマイズ可能なテーマを設定でき、OTAアップデートやKia Connect Storeによるデジタル機能購入にも対応します。さらに、デジタルキー2.0、指紋認証、Harman Kardonプレミアムサウンド、Kia AIアシスタントを搭載し、利便性と高級感を強化しました。音響面では、Kia独自の「Bold Motion Symphony」を導入し、外観デザインと調和した未来的な音響演出を実現しています。

安全性能も抜かりなく、欧州NCAPの5つ星や韓国KNCAPグレード1に対応する設計。7つのエアバッグと高剛性ボディを備え、最新のADAS群を標準装備しています。HDA2(ハンズオフ検知付き)、RSPA2(遠隔スマート駐車アシスト)、前方衝突回避支援(FCA)、後方交差衝突回避(RCCA)、ブラインドスポット回避支援(BCA)など多層的にサポートし、あらゆる状況で安心感を提供します。

EV5は2025年後半に韓国と欧州から販売を開始し、2026年初頭には北米市場にも導入予定です。力強いSUVデザイン、実用性に優れた室内空間、そしてEVならではの高性能を融合させたEV5は、Kiaの「サステナブルモビリティを世界に広げる」というビジョンを具現化するモデルといえます。日常の移動からアウトドア、さらには未来のエネルギー利用まで対応するこの一台は、EV時代における「家族と過ごす新しい日常」を創出する存在となるでしょう。

【ひとこと解説】
V2L(Vehicle-to-Load)機能とは、電気自動車のバッテリーに蓄えた電力を外部に供給できる仕組みです。家庭用電源やキャンプ、災害時の非常電源として活用でき、電気製品や調理器具、PCなどを直接駆動可能にします。専用コネクタを介して最大3.6kW程度の出力が一般的で、Kia EV5のようにアウトドアや日常生活で“移動する電源”として利用できる点が特徴です。クルマが生活のエネルギーハブとなる先進機能です。

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