フェラーリ「849 テスタロッサ スパイダー」登場

  • 新開発V8ツインターボ+3基のモーターで合計1050cv、史上最強のフェラーリ市販モデル
  • 空力性能は250km/h時に415kgのダウンフォースを発生、快適性も向上
  • ABS EvoやFIVEシステムなど最新電子制御を搭載、革新的なドライビング体験を提供

フェラーリは2025年9月9日、最新オープントップモデル「849 テスタロッサ スパイダー」を世界初公開しました。本モデルはSF90スパイダーの後継に位置づけられ、伝統の「テスタロッサ」の名を受け継ぐ新世代ハイブリッド・ベルリネッタです。

パワートレインは完全に刷新され、830cvを発生するV8ツインターボエンジンに加え、フロント2基・リア1基の計3基の電動モーターを組み合わせたPHEVシステムを搭載。システム総出力は1050cvに達し、市販フェラーリ史上最高を実現しました。V8にはフェラーリ史上最大のターボチャージャーを採用し、従来比+50cvを達成。7.45kWhバッテリーにより最大25kmのEV走行も可能です。

走行性能を支えるのが最新の電子制御です。ABS Evoと新開発FIVE(Ferrari Integrated Vehicle Estimator)を初採用し、実測値と数学モデルを組み合わせた“デジタルツイン”により、速度やヨー角を正確に推定。ブレーキ精度やトラクション制御を飛躍的に高めました。また、専用の軽量化やサスペンション設計により、同等重量のまま最高のパワーウエイトレシオを実現しています。

エアロダイナミクスも徹底的に見直され、415kg(250km/h時)のダウンフォースを確保。アクティブリアスポイラーやツインテール構造、特許取得の風の流れを制御する「ウインドストップ」など革新的なソリューションが導入されています。さらに新開発のリアキャビン後方風除けにより、オープン走行時の快適性も向上しました。

リトラクタブル・ハードトップは時速45km/h以下であれば14秒で開閉可能。クーペとスパイダーの二面性を自在に楽しめます。インテリアは新しいHMIとF80譲りのゲート式シフターを備え、操作性と没入感を両立。ステアリングには物理ボタンを残し、直感的な操作感を実現しました。

また、サステナビリティにも配慮し、初めてリサイクルアルミ合金をエンジン鋳造に採用。CO₂排出を最大80%削減しました。加えて「アセット・フィオラノ」仕様では約30kgの軽量化や専用空力パーツを備え、さらにサーキット指向の走りを提供します。

伝統の名を冠しつつ、史上最強のパフォーマンスと革新技術を融合した「849 テスタロッサ スパイダー」。まさにフェラーリの未来と歴史をつなぐ究極のオープントップモデルです。

【ひとこと解説】
イタリアでオープンモデルを「スパイダー」と呼ぶのは、19世紀の軽量馬車「スパイダー・フェートン」に由来します。この馬車は細い車輪のスポークが蜘蛛の足のように見えることから名付けられ、その軽快さがオープン2シーター自動車と重なり、呼称が引き継がれました。英語圏では「ロードスター」や「コンバーチブル」と呼ばれますが、イタリアでは伝統を尊重し、フェラーリやアルファロメオなどが現在も「Spider」を正式名称に用いています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次