- 新型GLCに「ビーガン・パッケージ」を導入、The Vegan Societyから世界初の車内認証取得
- シートや天井材、カーペットまで動物由来成分不使用、100以上の素材を独立監査
- 高品質と持続可能性を両立、今後は他モデルにも展開予定
メルセデス・ベンツは、新型GLC(EQテクノロジー搭載モデル)において、世界で初めてThe Vegan Societyによる公式認証を受けた「ビーガン・パッケージ」を導入しました。この試みは、自動車インテリアにおけるビーガン素材の使用に新基準を打ち立てるものであり、従来の合成レザーやマイクロファイバー、テキスタイル類に動物由来成分が含まれていないことを保証しています。
今回のプロジェクトでは、シート表皮だけでなく、ステアリングホイール、天井材、ドアトリム、ピラー、サンバイザー、センターコンソール、インストルメントパネル、さらにはフロアおよびラゲッジルームのカーペットまで、顧客が日常的に触れるほぼ全ての内装素材が対象となりました。これらの約100種類の素材と製造プロセスはThe Vegan Societyの厳格な基準で監査され、動物由来成分や副産物の不使用、動物実験の回避、交差汚染の防止が確認されています。
加えて、多くの素材には高いリサイクル比率が含まれており、持続可能性への配慮も徹底。メルセデスは、従来のラグジュアリーイメージを保ちながら、環境負荷を低減した次世代の室内空間を提案しています。顧客はメルセデス・ベンツ公式コンフィギュレーター上で「ビーガン認証」付きのパッケージを選択でき、今後GLC以外のモデルにも順次展開される予定です。
メルセデス・ベンツ取締役会メンバーで開発・調達を統括するマルクス・シェーファー氏は「私たちは近道を選ばず、信頼性と透明性を重視しています。この認証により、動物由来成分を含まない高品質な素材をお客様に安心して提供できる」とコメント。The Vegan Societyも「自動車内装で初めて第三者によるビーガン認証を取得できたことは大きな節目」と述べています。
なお、The Vegan Societyは1944年に英国で設立された世界初のビーガン団体で、「vegan」という言葉を生み出したことでも知られます。1990年に導入された「ビーガン認証」は現在、68か国以上で7万点超の製品に付与されており、食品から衣料、化粧品に至るまで幅広く浸透しています。
新型GLCの「ビーガン・パッケージ」は、ラグジュアリーとサステナビリティを融合させた新しい価値観を体現し、未来のクルマ作りにおける重要なマイルストーンとなっています。
【ひとこと解説】
ビーガンとは、動物由来の食品や製品を一切使用しないライフスタイルを実践する人、またはその考え方を指します。食事面では肉や魚、卵、乳製品、蜂蜜などを避け、植物性食品を中心に摂取します。また、衣類や日用品でも革、毛皮、ウール、シルクなど動物由来素材を用いないことを重視します。背景には動物愛護、環境保護、健康志向といった価値観があり、持続可能で倫理的な暮らしを目指す動きとして世界的に広がっています。
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