- 2005年式MC12ストラダーレが520万ドル(約7.7億円)で落札、同車種の最高記録を37%更新
- 世界限定50台、生産20年後も圧倒的な存在感を誇るV12エンジン搭載モデル
- FIA GT選手権14タイトル獲得のGT1直系ロードカーとして希少性と伝説性を確立
マセラティは2025年8月13日にカリフォルニアで開催された「Monterey Car Week」の一環、Broad Arrow’s Monterey Jet Centerオークションにおいて、2005年式「MC12ストラダーレ」が520万ドルで落札されたと発表しました。これは同モデルにおける過去最高落札額を37%上回り、現代マセラティとして史上最高額となります。
MC12ストラダーレは2004年から翌2005年にかけて世界でわずか50台のみ生産(各年25台)された希少モデルです。5988cc V12エンジンを搭載し、最高出力は630馬力を7500rpmで発生。ボディカラーは白地にブルーのアクセントを配し、1959~1961年に生産された名車「マセラティ・バードケージ61」にオマージュを捧げています。この特徴的なカラーリングは、20年経った今でも世界中の愛好家の心を掴み続けています。
そのルーツは、FIA GT選手権で2004年から2010年にかけて活躍した「MC12 GT1」にあります。GT1は14のタイトルを獲得し、その内訳はコンストラクターズカップ2回、ドライバーズチャンピオンシップ5回、チームチャンピオンシップ6回、さらにスパ24時間レースで3勝を収めるという輝かしい戦績を残しました。MC12ストラダーレはそのロードリーガル版であり、レース直系のテクノロジーを公道で体感できることが最大の特長です。
今回の落札は、単なる取引以上の意味を持ちます。スポーツヘリテージ、希少性、技術革新を兼ね備えたモデルに対する市場の評価を示すと同時に、マセラティというブランドがコレクターズカー市場において確固たる地位を築いていることを証明しました。また、最新の限定モデル「MCXtrema」にも通じるブランドの精神が、時代を超えて受け継がれていることを物語っています。
この結果は、スーパーカー市場が真に価値あるモデルに対して投資家・愛好家双方から強い支持を集めていることを示す象徴的な出来事となりました。
【ひとこと解説】
マセラティ・バードケージ61は、正式名称「Tipo 61」と呼ばれるレーシングカーで、1959年から1961年にかけてわずか17台が生産されました。最大の特徴は極細の鋼管を200本以上組み合わせた軽量スペースフレーム構造で、その複雑な骨格が鳥かご(バードケージ)のように見えたことから愛称が生まれました。2リッターや3リッター直列4気筒エンジンを搭載し、軽量かつ高剛性のシャシーにより耐久レースで高い戦闘力を発揮。特にニュルブルクリンク1000kmでの活躍で伝説となったモデルです。
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