ヤン・ラマース、ロータス・タイプ79と46年ぶりの再会―伝説のザントフォールトで勝利マシンを再びドライブ

  • 1978年オランダGP優勝のロータス・タイプ79をラマースが再びテスト
  • 1979年ポール・リカールでのF1シート獲得を懸けたテスト時の手書きノートが保存されていたことが判明
  • 世界最強の量産EV「ロータス・エヴァイヤ」も体験、現代技術との進化を実感

2025年のオランダGPを前に、元F1ドライバーのヤン・ラマースが英国ヘセルのロータス・テストトラックを訪れ、伝説のF1マシン「ロータス・タイプ79」を46年ぶりに再びドライブしました。タイプ79は1978年、マリオ・アンドレッティがザントフォールト・サーキットで勝利を挙げ、同年のドライバーズ・コンストラクターズ両タイトルを獲得した名車です。

ラマース自身も1979年10月、ポール・リカールでこのマシンをテストし、ロータスF1シート獲得を目指しました。当時の手書きテストノートが大切に保存されていたことが今回明らかになり、ラマースにとって特別な瞬間となりました。訪問時には、クラシック・チーム・ロータス代表のクライブ・チャップマンから、ザントフォールトでのロータス1-2フィニッシュを記念する絵画も贈呈されています。

タイプ79は、地面効果(グラウンド・エフェクト)技術を完成させた革新マシンであり、1978年のF1を席巻しました。アンドレッティは6勝を挙げ、その中にはチームメイトのロニー・ピーターソンとワンツーを飾ったザントフォールト戦も含まれます。ロータスはザントフォールトで通算6勝を記録しており、ジム・クラークは1963年から67年にかけて4度の優勝を果たしています。

今回の訪問でラマースは、ロータス・タイプ33(1965年にクラークがF1王者とインディ500を制したマシン)のレストア車両も目にする機会を得ました。さらに現代のロータスが誇るハイパーEV「エヴァイヤ」にも試乗。2,039PSを誇る世界最強の量産電動車で、0-100km/h加速は3秒未満、最高速度は350km/hに達します。ラマースは「往年のF1マシンと現代のエヴァイヤがほぼ同等の感覚を与えるのは、自動車産業の進化を物語っている」と語り、その性能に深い感銘を受けました。

伝統と革新の象徴であるタイプ79とエヴァイヤを通じて、ロータスの技術的挑戦と進化が改めて浮き彫りになった特別な1日となりました。

【ひとこと解説】
ロータス・タイプ79は、1978年のF1シーズンでマリオ・アンドレッティをドライバーズチャンピオン、チームをコンストラクターズタイトルへ導いた伝説的マシンです。最大の特徴は「グラウンド・エフェクト」を本格的に完成させた点で、車体下面を利用して気流を加速させ、強力なダウンフォースを生み出しました。これにより圧倒的なコーナリング性能を発揮し、同年のザントフォールトではアンドレッティが優勝、チームメイトのロニー・ピーターソンが2位に入りワンツーを達成。黒と金のジョン・プレイヤー・スペシャルカラーも印象的で、革新技術と美しいデザインを兼ね備えたF1史に残る名車です。

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