ランボルギーニ、伝説のミウラ SVを3年かけ復元。60周年の節目にローマで披露

・3年の歳月で蘇った1972年式ミウラSVの完全復元劇
・細部まで当時仕様へ戻した公式ヘリテージ部門の執念
・映画『The Italian Job』登場車も受賞した歴史的快挙
アウトモビーリ ランボルギーニは2026年4月20日、イタリア・ローマで開催されたクラシックカーイベント「アナンタラ コンコルソ ローマ」において、ヘリテージ部門「ポロ・ストリコ」がレストアと認証を手掛けた1972年式ランボルギーニ ミウラ SVを公開しました。販売価格は公表されておらず、公開時期は2026年4月です。今回の披露は、ブランド初のスーパーカーとして歴史を築いたミウラ誕生60周年を祝う象徴的な展示となりました。

会場となったローマでは、4月16日から19日にかけて初開催のアナンタラ コンコルソ ローマが実施され、世界中のコレクターや愛好家が集結。歴史的建築物に囲まれた舞台で、ランボルギーニは最新のレストア成果を披露しました。展示車両はカッシーナ ヴァルディエールで一般公開され、多くの来場者の注目を集めました。

このミウラSVは、2023年末にサンタアガタ・ボロネーゼへ搬入された時点では、本来の製造仕様と異なる状態だったといいます。そこでポロ・ストリコは、生産時の記録書類や当時の資料を徹底調査し、約3年に及ぶ再生プロジェクトを開始しました。単なる修復ではなく、「その個体が新車時に持っていた正しい姿」を取り戻すことが最大のテーマでした。
外装では、フロントフェンダーのグリル形状、ドアハンドル上部に備わる丸みを帯びたフィン、当時の法規に適合したリアルーバーなど、細部まで本来の仕様へ是正。さらに、特徴的な八角形センターロックハブを復元し、伝説的テストドライバーのボブ・ウォレスに由来する「Bobタイプ」エキゾーストエンドも正規仕様として装着されました。こうした部品の一つひとつが、ミウラSVの真正性を物語ります。
内装も徹底して見直されています。エアコン準備仕様の痕跡を確認したうえでその装備状態を再現し、後年失われていたハザードランプも復活。さらに、よりコンパクトなステアリングホイール、延長タイプのハンドブレーキレバーも装備され、当時のキャビン環境が忠実によみがえりました。

塗装にも特別なこだわりが注がれました。ボディカラーは「Luci del Bosco(ブラウン)」、インテリアは「Senape」で統一。ただし、この色味は時代やモデルによって微妙に変化していたため、年式との整合性を取る追加調査を実施し、1972年式にふさわしい正確な色調を導き出したとしています。
イベントではこのほか、1968年式ランボルギーニ ミウラ P400と、1989年式ランボルギーニ カウンタック 25th アニバーサリー2台も出展されました。中でも映画『The Italian Job』冒頭シーンで知られるミウラP400は、クラス優勝に加え、映画との深い関係性を称える特別賞「La vettura di Cinecittà」も受賞しました。

世界初のスーパーカーと称されるミウラ。その価値は速さだけではなく、時代を超えて蘇る存在感にもあります。60周年の節目に披露された今回のSVは、ランボルギーニの歴史そのものを映す1台といえそうです。
【ひとこと解説】
Bobタイプのエキゾーストエンドは、“ボブテイル(短く切った尾)”の発想を排気口デザインに応用したもので、テールパイプを短く、丸く、シンプルにまとめた造形が特徴です。元々はボバースタイルのカスタムバイクで、不要なパーツを削ぎ落とし、軽快でミニマルな印象を作るための処理として広まりました。 自動車のマフラーデザインにおいても、過度な装飾を避け、コンパクトで引き締まったリアビューを演出する目的で採用されることがあります。排気性能そのものを大きく変えるものではなく、視覚的な軽さ・クラシック感・カスタムテイストを付与するスタイリング要素として機能します。
















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