400色の伝説。ランボルギーニが描く“色で語る物語”

ランボルギーニのパーソナライズ計画「Ad Personam(アド・ペルソナム)」が生んだ400以上の特別色
神話・歴史・土地・伝説に由来する色名がブランドの世界観を形成
実際のダイヤモンド粉末を使用した塗装など、芸術的塗装技術も導入

2025年10月15日、サンタアガータ・ボロニェーゼ発。ランボルギーニは“400色の物語”をテーマに、ブランドの象徴であるカラーの歴史とその意味を紹介しました。顧客一人ひとりの個性を形にするカスタマイズプログラム「Ad Personam(アド・ペルソナム)」は、2011年に開始され、現在では生産されるランボルギーニの約94%がこのプログラムによる特別仕様を採用しています。

中でも「色」は最も人気の高い要素であり、ランボルギーニはこれまでに400種類以上の専用カラーを開発。ギリシャ神話やラテン語、天体などから着想を得た名称が多く、ブランド哲学や文化的背景を象徴しています。たとえば「Nero Nemesis(ネロ・ネメシス)」は正義の女神ネメシスを、「Arancio Apodis(アランチョ・アポディス)」は南天の鳥座を、「Viola Pasifae(ヴィオラ・パシファエ)」はミノタウロスの母であるパシファエ王妃をモチーフとしています。また「Grigio Telesto(グリージョ・テレスト)」は土星の衛星名であり、神秘的な響きを持つ人気色です。

歴史的な出来事や顧客エピソードに基づくカラーも多く存在します。「Verde Scandal(ヴェルデ・スキャンダル)」は1960年代、顧客が着ていたドレスの色を再現して誕生した逸話で知られ、「Viola 30th」は創業30周年を記念した1993年のディアブロ限定色。「Giallo Maggio(ジャッロ・マッジョ)」は創業月である5月と、ミウラ以来の象徴色“イエロー”を讃えて作られた特別色で、光を反射する粒子によって比類ない輝きを放ちます。

また、ランボルギーニの地元エミリア=ロマーニャへの敬意を示す色も登場。「Giallo Quercus」はサンタアガータ・ボロニェーゼ市章の黄金のオークから、「Terra Emilia」や「Terra di Sant’Agata Bolognese」は地域の土をイメージしたレザー専用ブラウンカラーとして開発されています。

さらに、塗装技術でも芸術性を追求。「ダイヤモンドコーティング」は実際のダイヤモンド粉末を混ぜた特別仕上げで、金属顔料では再現できない光の屈折と奥行きを実現。「クリスタルエフェクト」では職人が複数層の色を手作業で重ね、見る角度によって変化する光沢を演出します。

ランボルギーニの色は単なる塗装ではなく、神話・歴史・職人技が融合した“物語の断片”。それぞれの色がブランドの魂を映し出し、サンタアガータで生まれるスーパーカーを“走る芸術作品”へと昇華させています。

【ひとこと解説】
アド・ペルソナム(Ad Personam)は、ランボルギーニが2011年に開始した公式パーソナライゼーション(個別仕立て)プログラムです。顧客が自らの理想の1台を創り上げることを目的に、外装色や内装素材、刺繍、カーボンパーツ、さらには専用ロゴまで自由に選択可能。現在では生産されるランボルギーニの約94%が何らかのアド・ペルソナム仕様を採用しており、ファッションのオートクチュールのように“唯一無二のスーパーカー”を実現するブランドの象徴的サービスとなっています。

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