GMエナジー、電動化の新たな推進力に! 全米25万基の充電網と双方向充電技術で“エネルギー企業”へ進化

・2024年以降、売上30%の月次成長・販売5倍増で急成長
・車から家庭へ電力供給できる双方向(V2H)充電技術を展開
・全米25万基の充電網を整備、2030年までに3.5万基の急速充電器を設置予定
ゼネラル・モーターズ(GM)は、電動化への移行を加速させるための新部門「GMエナジー(GM Energy)」を通じて、エネルギーとモビリティの融合を進めています。同社は「すべての人に電動化を」というビジョンのもと、信頼性と利便性の高い充電インフラを拡充し、家庭・公共の両面でEVユーザーの利便性を高めるエコシステムを構築しています。
GMエナジーは過去18か月で飛躍的な成長を遂げ、2024年以降、月次売上が30%増、エネルギー関連製品の販売量が5倍に拡大。現在ではGMのEV販売台数のうち7割がGMエナジー製品を同時購入しており、充電アダプターの累計販売は約10万台に達しました。
製品ラインアップは10種類に拡大しており、注目は「V2H(Vehicle-to-Home)」双方向充電技術です。停電時には対応するGM車から家庭へ電力を供給でき、蓄電池「GM Energy PowerBank」と組み合わせることで、太陽光や電力網からの電力を蓄え、家庭用バックアップ電源としても活用可能です。また、充電アダプターは異なるポート規格の車両にも対応し、業界全体で進む充電規格統一(NACS:北米充電標準)を後押ししています。
公共充電インフラの拡充にも力を入れており、EVgo、Pilot、ChargePointと連携したGMエナジーブランドの急速充電ネットワークを展開。さらに、複数の自動車メーカーと共同で設立した新JV「IONNA」への投資も進めています。これにより、北米全体で25万基を超える充電器がGM EVオーナーに開放され、2030年までにGM投資による3.5万基の高速充電スタンド設置を目指します。ユーザー体験の改善にも注力しており、休憩施設や飲食スペースを併設した充電ステーションや、トラックの牽引充電に対応した通し型レイアウトなど、実用性を高めた設計が特徴です。
また、GMエナジーは電力会社との協業を通じて、車と電力網をつなぐ新たな価値を創出しています。テキサス州では夜間無料充電プランを展開し、カリフォルニア州では車両からグリッドへ電力を供給する「V2G(Vehicle-to-Grid)」実証実験を開始。将来的にはEVを電力供給源として活用し、停電時のエネルギーセキュリティと電力需給の安定化に貢献する狙いです。
GMエナジーの責任者ウェイド・シェファー副社長は、「私たちはGMのEV戦略と完全に連携し、顧客のために“エネルギーを動かす企業”へ進化しています。信頼性の高い電動化社会を実現するために、まだ旅の途中です」とコメント。2026年発売予定のキャデラック・オプティーク(OPTIQ)や2027年の新型シボレー・ボルトは、いずれもNACSポートを標準装備し、次世代充電環境への対応を先取りしています。
GMエナジーは、単なるEV周辺事業にとどまらず、エネルギー供給とモビリティを融合した新たな産業モデルを構築中です。電力網と車を双方向につなぐ技術を軸に、GMは“自動車メーカーからエネルギー企業へ”という進化の第一歩を着実に踏み出しています。
【ひとこと解説】
GMエナジー(GM Energy)は、ゼネラル・モーターズが電動化戦略の中核として2022年に設立したエネルギー事業部です。EVと家庭・電力網をつなぐ「車から家へ(V2H)」や「車から電力網へ(V2G)」の双方向充電技術を開発し、停電時の非常用電源や電力需給の安定化に貢献。自社開発の蓄電システム「PowerBank」や全国25万基以上の充電ネットワークを展開し、2030年までに3.5万基の急速充電器設置を目指しています。GMの“エネルギー企業化”を象徴する存在です。











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