ボルボEX60、世界初の「マルチアダプティブ・シートベルト」を初採用。TIME誌「2025年ベスト・インベンション」に選出

ボルボの新型EV SUV「EX60」に、世界初のマルチアダプティブ・シートベルトを搭載
乗員の体格や姿勢、衝突状況に応じて作動を最適化し、安全性を大幅に向上
TIME誌「2025年ベスト・インベンション」に選出、2年連続で安全技術が評価

ボルボ・カーズは2025年10月9日、来年1月に発表予定の新型EV SUV「EX60」に世界初搭載されるマルチアダプティブ・シートベルトが、米TIME誌の「2025年ベスト・インベンション(Best Inventions 2025)」に選出されたと発表しました。TIME誌が毎年発表するこのリストは、社会を変える可能性を持つ300の革新的技術を紹介するもので、ボルボは2年連続で安全技術分野から選出されました。

この新開発のマルチアダプティブ・シートベルトは、交通状況や乗員一人ひとりの体格・姿勢に応じて作動を自動的に調整する世界初のシステムです。車両のセンサーがリアルタイムで取得するデータを活用し、身長・体重・体型・着座姿勢などに合わせてベルトのテンションやロードリミッターの作動荷重を最適化します。

例えば、大柄な乗員が激しい衝突に遭った際には、頭部損傷を防ぐためベルトの荷重設定を高めに設定。一方、小柄な乗員が軽度の衝突に巻き込まれた場合は、肋骨損傷のリスクを下げるため荷重設定を低く調整します。このように、個々の条件に合わせて最適化された作動により、負傷リスクを最小限に抑えることが可能となりました。

また、このシステムはボルボの高度なリアルタイム・センシング技術と連携しており、外部の交通状況、車速、衝突角度なども同時に解析。乗員をより効果的に保護するよう、瞬時に制御を行います。さらに、OTA(無線ソフトウェアアップデート)に対応しており、ボルボが世界中の実走データから学習した知見を反映しながら継続的に進化していきます。

ボルボ・カーズ セーフティセンター責任者のオーサ・ハグランド氏は、「自動車安全のリーダーとしてTIME誌に認められたことを誇りに思います。EX60に搭載されるマルチアダプティブ・シートベルトは、よりスマートでパーソナライズされた保護機能により、負傷リスクを劇的に減らします」とコメントしました。

ボルボは昨年、EX90およびES90に搭載された「ドライバーの状況を理解するシステム」でもTIME誌の「2024年ベスト・インベンション」に選出されています。このシステムは、ドライバーの疲労や注意散漫を検知し、必要に応じて車両が介入するもので、同社の「人を守る技術」への継続的な取り組みを象徴しています。

今回の受賞により、ボルボは再び安全技術分野での先進性を世界に示しました。新型EX60は2026年1月21日にスウェーデン・ストックホルムで世界初公開される予定で、このマルチアダプティブ・シートベルトが量産車として初めて搭載されることになります。ボルボが掲げる「誰も命を落とさない未来の交通社会」に向けた、新たな一歩となるでしょう。

【ひとこと解説】
ボルボは自動車安全技術のパイオニアとして知られ、1959年に世界初の3点式シートベルトを実用化しました。この発明は全メーカーに無償公開され、数百万人の命を救ったとされています。その後も**後部座席エアバッグ、サイドインパクト保護構造(SIPS)、衝突回避支援システム(City Safety)**などを開発。近年ではドライバー状態監視システムやマルチアダプティブ・シートベルトなど、データ活用型の安全技術へと進化を続けています。

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