キアとレッド シー グローバル、次世代モビリティで協業開始。PBV「PV5」パイロット導入から長期パートナーシップへ

  • キアのPBV「PV5」を活用し、サウジの高級リゾートで空港送迎や館内移動などを実証運用
  • 将来的に「PV7」など大型モデルや物流用「PV5 カーゴ」展開も視野に、ビジョン2030に貢献
  • キアとRSGは持続可能な観光とスマートシティ構想に基づく長期的パートナーシップを構築

キアは2025年9月29日、サウジアラビアの不動産開発企業レッド シー グローバル(RSG)と次世代電動モビリティの実証協業を開始したと発表しました。両社は5月にパイロット契約を締結しており、第一弾として「プラットフォーム ビヨンド ビークル(PBV)」戦略の中核モデルである「PV5 パッセンジャー」を供給します。運用試験は「ザ・レッド シー」および「AMAALA」の二大リゾートで実施され、空港送迎やリゾート間移動、フリート運用における有効性を検証します。

「PV5」は電動パワートレインと先進ソフトウェアを基盤に、車内モジュールを自在に変更できる柔軟性を備えた商用EVです。リゾートのホスピタリティや観光分野に最適化され、運用効率と持続可能性を両立します。試験導入にあたり、キアは現地視察や技術研修を実施し、販売代理店も現場サポートを継続する体制を整えています。

ヒョンデ モーター グループ未来戦略部門のチョン・ホグン副社長は「RSGとの協業を通じ、将来的には車載ソリューションやデータ、ロボティクスなどスマートシティ技術の展開も目指す」と述べ、長期的ビジネス拡張に意欲を示しました。RSGのオペレーション責任者ハンス・アクセル・ペデルセン氏は「既に当社のゲスト用車両は太陽光で100%稼働しており、Kiaとの協業でさらに先進的な環境配慮型モビリティを導入できる」と強調しました。

今後の展望として、キアとRSGはリゾート物流向け「PV5 カーゴ」やRSG専用モデルの開発、さらに2027年登場予定の大型PBV「PV7」導入の可能性を検討しています。キアは2030年までに25万台のPBV販売を目指し、2029年にはフラッグシップの「PV9」を投入予定です。

今回の取り組みは、2024年にヒョンデ モーター グループとRSGが締結した戦略的MoUに基づくもので、持続可能な観光、革新性、ゲスト体験向上を共通の目標としています。RSGは再生型ツーリズムの先駆者として世界的な責任ある開発をリードし、キアは「サスティナブル モビリティ ソリューション プロバイダー」としてクリーンかつ統合的な交通エコシステムの構築を推進します。

両社の協業は、次世代のサステナブルな旅行と運営効率を実現する革新的な一歩として位置付けられています。

【ひとこと解説】
キアの「プラットフォーム ビヨンド ビークル(PBV)」戦略は、従来の自動車の枠を超え、商用・生活・観光など多様な用途に柔軟対応できる次世代モビリティ構想です。電動化とソフトウェア技術を基盤に、車内モジュールやボディ構成を自在に変更できる点が特長で、輸送や物流からホスピタリティまで幅広く活用可能です。2030年までに25万台のPBV販売を目指し、持続可能かつスマートな移動体験を提供することを狙いとしています。

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