- 世界初の電動マッスルカー「ダッジ チャージャー デイトナ」が2025年Wards 10 Best Engines & Propulsion Systemsを受賞
- 670馬力を発揮し、0-60マイル3.3秒、クォーターマイル11.5秒の圧倒的性能を実現
- 世界初のFratzonic Chambered ExhaustやPowerShot機能など革新的装備を搭載
ステランティスは米国ミシガン州オーバーンヒルズで、ダッジブランドを代表する新世代マッスルカー「チャージャー デイトナ」が、業界で権威ある「Wards 10 Best Engines & Propulsion Systems 2025」に選出されたことを発表しました。選ばれたのは、世界で初めて開発された電動マッスルカー用の670馬力電動パワートレインです。従来のマッスルカーが持つパワフルな存在感を維持しながら、電動化による俊敏性と新しい体験価値を融合させた点が高く評価されました。
チャージャー デイトナ スキャット パックに搭載されるシステムは、400ボルトの電気駆動アーキテクチャをベースに、100.5kWhの大容量バッテリーパックと、前後に配置された電動ドライブモジュール(EDM)で構成されます。各EDMは335馬力(250kW)、313.5lb.-ft.のトルクを発揮し、合計で670馬力を実現。標準で全輪駆動(AWD)を備え、0-60マイル加速3.3秒、クォーターマイル11.5秒という驚異的なパフォーマンスを披露します。これにより、チャージャー デイトナは「世界最速かつ最強のマッスルカー」という称号を手にしました。
さらに、このモデルには数々のユニークな機能が盛り込まれています。ドライバーがボタンを押すことで瞬時に40馬力を追加噴射できる「PowerShot」機能は、その代表例です。これは10秒間持続し、追い越しや加速シーンで一気に走りの迫力を高めます。また、走行環境に応じて選択可能なドライブモードとして、「トラック」「ドラッグ」「カスタム」などを用意。さらに、レースシーンを想定した「レースオプション」には、ドリフトやドーナツ走行を可能にする設定や、スタートダッシュを最適化する「ローンチコントロール」が搭載されています。電動車でありながら従来のマッスルカー文化を継承しつつ、新たな楽しみを提供している点が特筆されます。

チャージャー デイトナの革新性を象徴するのが、世界初の特許出願中「Fratzonic Chambered Exhaust」です。一般的に静粛性が特徴とされる電動車において、あえて迫力あるサウンドを再現。加速や高負荷時には音量が増し、ドライバーと乗員に従来型マッスルカーと同じような興奮を与えます。この「電動でありながら吠えるマッスルカー」という体験は、他に類を見ない独自の価値です。
受賞に際し、ステランティスのプロパルジョンシステム部門シニアバイスプレジデント、ミッキー・ブライ氏は「電動化とマッスルカーの精神は両立可能であり、チャージャー デイトナはその象徴です。我々が生み出したのは、日常の快適性を損なわずにサーキット並みの走行性能を発揮する1台です」とコメント。また、審査員のドリュー・ウィンター氏も「市場には優れたEVが多く存在するが、チャージャー デイトナほどの個性と存在感を備えたモデルはない」と評価しました。
2026年モデルでは、2ドア仕様の「チャージャー デイトナ スキャット パック」が59,995ドルから登場予定です。6万ドル未満という価格帯で、業界最高の馬力を誇る電動マッスルカーを提供する点も大きな話題です。さらに、4ドアセダンや、550馬力のターボエンジン「SIXPACK」を搭載したガソリンモデルも加わり、マルチエナジー構成の新型Chargerファミリーとして進化していきます。SIXPACK搭載のスキャット パックは55,000ドル未満で市場投入され、コストパフォーマンス面でも強い存在感を放ちます。
今回の受賞は、ステランティスのパワートレインが9年連続でWardsのリストに選ばれたことを意味します。過去31年間で25もの受賞歴を誇る同社にとって、今回の快挙はEV時代においてもマッスルカー文化を進化させる姿勢を証明するものとなりました。さらに、チャージャー デイトナは今年「Wards 10 Best Interior and UX Systems」も獲得しており、内外装と走行性能の両面で革新を遂げた1台として、電動マッスルの未来を象徴しています。
【ひとこと解説】
「スキャットパック(Scat Pack)」とは、ダッジが展開する高性能グレードの総称で、チャージャーやチャレンジャーなどに設定されています。1960年代に誕生した伝統ある呼称で、直線加速に特化した「ドラッグレース文化」を象徴する存在です。通常モデルより大排気量エンジンや強化サスペンション、専用外観パーツを備え、サーキットやストリートでの走りを重視しています。近年では電動モデルのデイトナにも継承され、マッスルカーの“魂”を体現する特別仕様として位置付けられています。
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